4月21日

学園祭でアン・ルイス。あの娘に夢中!高ぶる気持ちは「あゝ無情」

22
0
 
 この日何の日? 
アン・ルイスのシングル「あゝ無情」がリリースされた日
この時あなたは
0歳
無料登録/ログインすると、この時あなたが何歳だったかを表示させる機能がお使いいただけます
▶ アーティスト一覧

 
 1986年のコラム 
スシ食いねェ!の英語ヴァージョン「Oh!SUSHI」は国際化の尖兵?

プリンス&ザ・レヴォリューション「KISS」が古くならない理由とは?

トップを取れないバングルス、プリンス殿下のアメとムチ大作戦?

ゴンチチのアルバム「Sunday Market」はじける夏イメージ!のはずが…

難局を乗り越えたゴンチチ、ポップにイメチェンしようとがんばったけど…

TM NETWORKのボーカリスト宇都宮隆の魅力、永遠の少年性とセクシーさの共存

もっとみる≫




今時アンちゃんと言えばウェイクだが、我々の世代でアンちゃんと言えば誰が何と言おうがルイスである。

今は移転してしまったのだが、私が通っていた大学の近くに女子短大があった。毎年その短大は学園祭に大物ミュージシャンを呼ぶことで有名であり、私が1年の時に杏里、2年の時にアン・ルイス、3、4年の時は忘れてしまったがそれなりの大御所を招聘していた。そこの短大生とは同じ駅を利用していた事もあり、知り合いも多かった。

ある時その知り合いから「ねえ旅人君、今年の学園祭はアン・ルイスを呼ぶことになったんだけど、告知看板を立てるお手伝いをしてくれたらお礼にチケットあげるけど手伝ってくれない」と相談された。

もちろん一も二もなく OK した。

アン・ルイスのコンサートにも興味があったが、その依頼をしてきた娘にも興味があったからだ。看板を受け取りに車で女子短大の校内に入る。普段は女の園であり、男というだけで廻りから注目を浴びる。

アイドルと変質者ってこんな感じで女子から見られてるのかなぁ?

とか思いながら渡された看板を車に積み込む。その看板を街の電柱に括り付けていくのだが、後で回収するときのため地図にその場所を赤丸で記載しておく。

さて、当日講堂で行われたコンサートは超満員 and 1曲目から総立ちである。そこで私はあることに気が付いた。よく「学園祭の女王」と「総立ち」という言葉はセットで使われることが多いが、学校の講堂って結構段差があるので、一番前の人なんかは立たないと舞台の奥まで見えないのである。

まあそんな洞察はどうでもいい。1曲目から「あゝ無情」(86年)である。そりゃ舞台が見えようが見えまいが総立ちになるだろう。

「ズルイよ、アンちゃん!」

いきなりオーディエンスのハートはアンちゃんに鷲づかみにされた。講堂に何人いるのか判らないが、もうあっちで「フ~」こっちで「フ~フ~」の大合唱である。

ビリビリに破れたスカートからのぞく網タイツが縦横無尽に舞台を走り回る。それからも熱気と色気がムンムンのナンバーが続き、あっという間に時間は過ぎ去ってラストソングとなった。

「それじゃまだ歌ってない曲あったよね~?」

満を持しての「六本木心中」(84年)である。

「ズルイよ、アンちゃん!」

またしてもあっちで「ドンチュー」こっちで「ドンチュゴー」の大合唱となった。終演後、熱気と色気で高揚した私は、高ぶる気持ちをぶつけるべく知り合いの女子短大生のところに飛んでいったのだが…。

「お疲れ~、それじゃ立て看板の回収よろしくね!」

そう言うと赤丸の書いてある地図を私に渡し、彼女は用事があると言ってどこかへ行ってしまった。

あゝ無情。

2018.07.06
22
  YouTube / terpsichore11


  YouTube / 斉藤猛
 

Information
あなた
Re:mindボタンをクリックするとあなたのボイス(コメント)がサイト内でシェアされマイ年表に保存されます。
カタリベ
1967年生まれ
時の旅人
コラムリスト≫
26
1
9
8
2
シティポップスの貴公子、山本達彦の本質って実はハードボイルド
カタリベ / 本田 隆
30
1
9
8
5
音楽が聴こえてきた街:歌舞伎町ディスコに響き渡るBOØWY「NO. NEW YORK」
カタリベ / 本田 隆
39
1
9
8
4
ヒットの威力を思い知る!女子高校生バンドの定番だった「六本木心中」
カタリベ / 平マリアンヌ
31
1
9
8
4
岡田有希子と竹内まりや、80年代の革新が普遍化した「ファースト・デイト」
カタリベ / KARL南澤
40
1
9
8
8
不思議な化学反応? 浅香唯「セシル」と BOØWY のただならぬ関係
カタリベ / 吉井 草千里
23
1
9
8
2
過激なアレンジは伊藤銀次!アン・ルイス「ラ・セゾン」と 沢田研二「ストリッパー」②
カタリベ / 伊藤 銀次