4月7日

anan の表紙にセックスの文字が躍る!女性ファッション誌のSEX特集がスタート

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雑誌「anan」671号(マガジンハウス)が発売された日
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30年以上も続く “お化け企画” 「セックスできれいになる」


残念ながらと言うか、何と言うか、僕は人様に大きな声で自慢できるような武勇伝(的なもの)を全く持ち合わせていない。こう言ってしまうと、なんだか僕がとてもつまらない人間のように思われるかもしれないし、それも否定はできないのだが、とにかく今日は「強いて挙げるとしたらこれかも」と無理やり捻出したネタを披露したいと思う。

ただ、これだって、以前ある人に「それ、かなり凄いっすよ!」と言われて気づいた程度の話なので、あまり期待はしないで欲しいのだが……

皆さんは、1989年4月7日に発売された『anan』(アンアン)671号(マガジンハウス)で、「セックスできれいになる」という特集が組まれたのを覚えているだろうか。実は、その号に僕のコメントが実名・顔写真付きで掲載された、というのが今回の話だ。

ーー と言っても、数名の男子の中の1人として男目線で女性について発言するコーナーに出ただけの話なので全く大したことはないのだが、この特集が30年以上も続く “お化け企画” となったことで、お陰様で今でもネタにできるという訳だ。

男女関係の自由度は格段に高まった80年代だったが…


僕の手元にその号が残っていないので内容についての記憶は定かではない。そもそも僕が出たのがその号だったかすら怪しいが、とにかく女性ファッション誌の表紙に「セックス」の文字が躍ったのは、少なくとも当時の日本ではかなりの衝撃だった。

80年代の10年間で男女関係の自由度は格段に高まって、フツーの若者の多くがフツーに “やることをやる” ようになっていたが、それでも人前で「セックス」という単語を口にするのは憚られたし、まだまだ秘め事感満載だったからだ。

実際、当時から性体験の豊富さを自慢する男子は全く珍しくなかったが、女子はまだまだ処女のフリをする方が無難なことが多かったのではないかと思う。それに、「結婚するまでは…」という建前を真顔で言うオトナも全然少なくなかったのだ。

Like a Virgin症候群とは?


僕はこのような、ある意味の男女差別(と言ってよいか判らないが)や言行不一致を指して、勝手に “Like a Virgin症候群” と名付けていた。

もちろんマドンナのヒット曲から採ったもので、実際にそういうワードを使う人などひとりもいなかったが、それでも処女のように振る舞うことで男子を喜ばせようとする(あるいは、処女かもしれないと期待させることで男女の駆け引きを有利に進めようとする)女子の行動特性や、その裏にある時代の空気をうまく表していると、当時の僕は自己満足していたのだった。

まぁ、そのワード自体はどうでもよいが、とにかくこの『anan』の特集は、そんな空気を変えるきっかけのひとつになったと思うし、これによって言行不一致の解消が一気に進み始めた気がする。



日本のジェンダー・ギャップ指数は?


話は変わるが、皆さんは、ダボス会議を主催していることで知られる世界経済フォーラムが毎年発表している「グローバル・ジェンダー・ギャップレポート」を読んだことがあるだろうか? このレポートの中に、世界各国の男女平等の度合いを指数化した「ジェンダー・ギャップ指数(Gender Gap Index)」が掲載されているのだが、2022年7月発表の最新版によると、日本は調査対象146ヵ国のうち116位となっている。

日本が下位に甘んじているのは、男女の所得格差、女性管理職や女性政治家の少なさなどが響いているからだそうだが、とにかく日本の順位は例年この辺なので、完全に “下位常連国” と言える。もちろん、G7(先進7ヵ国)の中では万年最下位だ。

この順位については、これまで海外で仕事をする機会が少なくなかった僕の実感値からも、あまり外れてはいない。何かの法律や制度に定められている訳ではなかったとしても、「ガラスの天井(Glass Ceiling)」とか「壊れたはしご(Broken Ladder)」と言われるようなものが、日本の社会や組織の中に存在しているのはおそらく事実だし、その状況は30年前も今も根本的には変わっていないような気がする。

そんな中にありながらも、意識や行動に変化が見られた数少ない事項のひとつが、今日の本題であるセックスではないかと思う。これが100%良い変化と言い切れるかどうかは意見が分かれるところだが、少なくとも女子の自由度が高まり、自分の意思を表現しやすくなったのは良いことに違いないし、その変化には『anan』の一連の特集が少なからず貢献していると思うのである。

さて、本題とは全く関係ないが、一応は音楽コラムなので、ちょうどこの号の発売時にヒットしていたファイン・ヤング・カニバルズの『シー・ドライヴズ・ミー・クレイジー』を最後に紹介したい。



この英国バーミンガム出身の3人組バンドは、この曲と『グッド・シング』の2曲の全米No.1を持っている割には皆さんの記憶に残っていないと思う。そんな人も、数年後にジョディ・フォスターが出演したHONDAシビックフェリオのCMで使われたのを観たら思い出すんじゃないかな。

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2023.04.07
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カタリベ
1965年生まれ
中川肇
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