一年ほど前、地元の公共施設を借りる必要があり申し込みに行った。受付で名前や住所や利用目的などを申込用紙に記入していると、僕の名前を見て受付のおばちゃんが親しげに話しかけてきた。「やっすぅ君(←ここ本名)って、○○高校の?」って感じで。
僕の苗字はちょっと変わっているので、地元ではそんな風に聞かれることが時々ある。きっと息子の友達のお母さんだろうな、と思って適当に返事をしたのだがなんか違う。どうも僕自身に話しかけているみたい。このおばちゃん誰だっけな〜 とよく顔を見ていたら次第に記憶が蘇ってきた。
高校の同級生のオザッケだ。途端に頭の中の映像が一気に逆回転して当時のオザッケが蘇ってきた。不意を突かれてオロオロしながらも、こんなところで再会するとは嬉しいやら恥ずかしいやら。再会できたのは自分の変わった苗字のおかげ。ご先祖様ありがとう。でもそれまでの最新の記憶は18歳の時のもの。その次が35年後とは。残念ながら今のオザッケには当時のようなピチピチ感はない。そういう僕にもフサフサ感はない。高校生の時とは明らかに違うが、なんだかとても嬉しい再会だった。
最近、Apple Musicで音楽を聴くようになった。Apple Musicがオススメしてくれるプレイリストやアルバムを適当に聴いていると意外な曲が流れてきたりしてちょっと楽しい。ある日、Apple Musicからものすごく気になる曲が流れてきた。でもバンド名も曲名も全く思い出せない。スマホの画面を確認するとアンタッチャブルズの「フリー・ユアセルフ」と表示されていた。
そうだ! アンタッチャブルズだ! 検索してみるとベストアルバムが見つかった。このバンドだ!ずっと聴きたいと思っていたのだが、バンド名をすっかり忘れてしまい、長い間探せないままになっていたのだ。押入れにしまい込んだダンボール箱のどこかにアルバムを録音したカセットテープがあるというのに。再会できたのはApple Musicのおかげ。スティーブ・ジョブズ様ありがとう。
嬉しくなってApple Musicで何度もベスト盤を聴いていたのだが… あれ? 何か違う。あのバンドに間違いないのに何かが違う。気になって仕方がない。このまま放置するのは気持ちが悪いので、押入れにしまい込んだカセットテープを探すことにした。
バンド名が分かったから探すのは簡単だ。それでも格闘すること1時間あまり。見つかった! カセットデッキに入れて聴いてみると、これだ! 聞きたかったのはこっちだ、明らかに違う! 調べてみるとApple Musicで聴ける音源は再録音したものだという。アレンジはオリジナルのままなのに、オリジナルの方が断然カッコいい。この違いって一体なんだろう? やっぱりピチピチ感かな。
2016.12.27
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