共有感満載の80年代洋楽ヒット!ビルボード最高位2位の妙味 vol.20 We Got The Beat / The Go-Go’s 女性メンバーのみで構成された、いわゆるガールズグループ(バンド)の歴史は1960年代まで遡ることができる。70年代でいえば日欧で大きな人気を博したスージー・クアトロ(バンド)や、瞬間的に地上波テレビをも席巻したランナウェイズ(衝撃の下着演奏!)あたりは、50代以上の日本人にとっては強烈な印象に残っているだろう。 では80年代のガールズロックバンドといえば… 全米ナンバーワン2曲を含む多くのヒットを80年代後半に輩出したバングルスが筆頭に挙げられるが、バングルス出現以前の80年代前半はゴーゴーズの存在抜きには語ることはできない。 LAで結成されたゴーゴーズは81年にメジャーデビュー、スペシャルズのテリー・ホールが在籍した英グループ、ファン・ボーイ・スリーが関与した初シングル「泡いっぱいの恋(Our Lips Are Sealed)」が中ヒット、続く翌年のシングル曲でグループ史上最大のヒットソングを放っている。それが80年代18番目に誕生したナンバー2ソング「ウィ・ガット・ザ・ビート」(82年4月2位)だ。 ゴーゴーズ・レパートリーの中では、セカンドアルバム『ヴァケイション』からのファーストカットで底抜けに明るい極上ポップチューン「ヴァケイション」が、日本において最も認知度の高い作品だろうが、それに勝るとも劣らぬヒット感を伴っていたのが「ウィ・ガット・ザ・ビート」である。 アンダーグラウンドなテイストを絶妙に醸し出させたストレートロックな作風に、あくまでもポップさへの追及と(演奏テクよりも)フレッシュさや勢いを印象付けることに腐心した感じを前面に押し出して、ある意味痛快な一撃がヒットチャートを見舞ったというわけだ。 それほどこの曲には、粗削りながらも到底抗えない鮮烈な魅力が溢れていたし、ゴーゴーズ史上最大のヒットというのも納得できよう。「ウィ・ガット・ザ・ビート」のヒットからほどなくして、粗削りな魅力満載なデビューアルバム『ビューティ・アンド・ザ・ビート』(秀逸なタイトル!)はアルバムチャートのトップに躍り出て、シングルでは成しえなかった全米制覇をアルバムで達成している。 ちなみに「ウィ・ガット・ザ・ビート」のトップ到達を阻んだのは、ジョーン・ジェット&ザ・ブラックハーツ「アイ・ラヴ・ロックンロール」。そう、ジョーン・ジェットは、ガールズロックバンドとしてはゴーゴーズの先輩であるランナウェイズの元メンバー。これは先輩の愛のムチだったのだろうか。 しかし、リード・シンガーだったべリンダ・カーライルは86年にソロデビュー、「ヘヴン・イズ・ア・プレイス・オン・アース」で悲願の全米シングルチャート1位を獲得している。
2017.03.30
VIDEO
YouTube / emimusic
Information