2月9日

魔法少女アニメは今も大人気「花の子ルンルン」の魅力 ♡ 主題歌も春にぴったり!

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魔法少女シリーズは今に続く大人気コンテンツ


昭和の時代、「魔法少女」というカテゴリーがあったことは誰の記憶にも鮮明だろう。1966年『魔法使いサリー』を筆頭に、1973年『キューティーハニー』、1974年『魔女っ子メグちゃん』…と可愛らしい女の子たちが魔法の道具を使って変身し問題解決していく作品たち。制作会社は変われど『プリキュア』シリーズなどに引き継がれている人気のコンテンツといえる。そのうちのひとつが1979年に放送された『花の子ルンルン』だ。

少しだけ物語に触れたい――。

地球で仲良く暮らしていた人間と花の妖精たち。けれど人間が傲慢になり、自然を大切にしなくなったことがきっかけで、花の妖精は地球を飛び出しフラワーヌ星で暮らしている… というのが物語の舞台。

ある日、フラワーヌ星から国王の使者として白猫キャトーと犬のヌーボが地球にやってくる。地球に残った花の精と人間の血筋を引く少女を見つけ出し、七色の花を探すことが彼らのミッションだ。

その七色の花は国王の記しであり、次の王子に国王の座を譲ろうという今、七色の花がどうしても必要なものなのだとか。しかもそれは花の精の血を分けた地球の女の子にしか見つけることができない――。

そして白羽の矢が立ったのが花屋の祖父母の元で暮らしていた少女・ルンルン。キャトーとヌーボ、2匹と共に花探しの旅を経験しながら、少女が成長していくさまが描かれていく。もちろんライバルも、必ずピンチのときに登場する謎の青年も、お決まりのキャラとして登場する――

―― そんな物語だ。



魔法グッズが欲しかった!「花の子ルンルン」の魅力とは


魔法少女シリーズがウケたのは、物語もさることながら、何といっても主人公がピンチのときに使う魔法グッズの存在が大きかったと思う。きっと多くの少女が「どうしてもほしい!!」と親にせがんだことがあるはずだ。今にして思えばアニメの制作側とおもちゃメーカーの思うツボだったなぁと思う。

ちなみにルンルンのアイテムは花のブローチ。問題が起こると、蓋を開け鏡を花に向ける。するとあら不思議。心に願った姿に変身できちゃう優れもの。これが、どれほど少女たちの心を鷲づかみしたことか。

もちろん魔法グッズも魅力的だったけれど、『花の子ルンルン』の最大の魅力は、この作品に漂う「気品」にあったと思う。ルンルン自体がとても可愛らしく、立ち振る舞いも、着ている洋服も、とにかくエレガント。画面の絵柄もとても上品で洗練された外国風のオシャレさがあった。こうしたところはそれまであまり見たことのないタッチだった。

花言葉の豆知識で締めくくられるエンディング


この作品で忘れてはならないところがもうひとつ! 各話のエンディングで謎の青年・セルジュがルンルンに関わった人たちに花の種を渡して去っていくシーンだ。ナレーションがその種の花言葉を紹介して物語は締めくくられる。花言葉という豆知識のコーナーがうまいこと物語の中にミックスされていて、とても斬新だった。

花言葉というもの自体、知らなかった少女たちにとって、ルンルンで教わるこの素敵な花の意味は、とてもロマンチックで、周りでも花言葉図鑑なんて本を買ってもらっていた友だちもいた。

当時を振り返ると、この作品を通して、花への興味を覚え、親子の会話も増え、自然を知るきっかけをもらったようにも思う。

花が私たちの心を癒やし、優しい気持ちにさせてくれることを教えてくれたのが、まさにこの『花の子ルンルン』だった。



「ルンルンな気分」の語源は、「花の子ルンルン」説


主題歌もとても素敵だった。作曲は小林亜星さん。亜星さんの曲はどの曲もほのぼのとしていて、ぬくもりを感じさせてくれる。冒頭の「♪ル・ル・ル・ルンルン」と繰り返されていくスウィングするフレーズからは、飛び跳ねたくなるような幸福感と希望が伝わってくる。まさに “ルンルンな気分” だ。ちなみに「花の子ルンルン」が、ルンルン気分の語源ではないかという説もあるのだとか。

実は続く歌詞も秀逸で――

 コスモスは 帽子に似合う
 タンポポは お昼寝まくら
 アカシアの アーチをぬけて
 歩いて行きましょう

と、花の名前が次々にリズミカルに飛び出してくる。それぞれの花を表現した言葉のチョイスが絶妙で、なんて可愛らしい世界なの! と今でも聴くたびに思ってしまう。

そして、最後のフレーズはこうして締められる。

 いつかはあなたの 住む街へ
 行くかもしれません

そう、まだ幼かった私は「きっといつか私の街にもルンルンが七色の花を探しにやって来て、謎の青年が花の種をくれるんだ」と、ルンルン来訪を心待ちにしていた(笑)。いや、きっと私だけではないはずだ。

歌っているのはアニメソングの女王・堀江美都子。現在も当時と変わらぬ歌声には脱帽だ。当時のアニソンに触れるたび、素晴らしい歌手の方々に育てられてきたんだなぁとしみじみ思う。

ということで、ぜひ春にぴったりな曲を聴いて、あなたもルンルンしてみてください♪

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2023.04.23
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