今回、アルファ時代のシナロケ4タイトルが、新たなリマスタリング音源を使用したBlu-spec CD2仕様でリイシューされる。再起を賭けたアルバム『真空パック』、1980年の『チャンネル・グー』、1981年の『ピンナップ・ベイビー・ブルース』、そしてアメリカのA&Mレコードからリリースされた海外デビュー盤『SHEENA AND THE ROKKETS』だ。
糸井重里作詞の同名曲を収録した『ピンナップ・ベイビー・ブルース』は、鮎川のギターサウンドがクローズアップされ、ブリティッシュビートを踏襲した湿り気を帯びた質感が際立つ、普遍性の高い名盤。こちらではローリング・ストーンズの代表曲「SATISFACTION」に独自の解釈を施してカバー。アメリカへのお披露目盤となった『SHEENA AND THE ROKKETS』は、アルファ時代の新録ベスト的な内容で、バンドの魅力をわかりやすく1枚にコンパイルさせている。
ライブレコーディングの『クール・ソロ』では、英国の “ならず者パブロッカー” ルー・ルイスの名曲「ラッキー・セヴン」をフォーマットにしたと思われる「KRAZY KOOL KAT」や、サンハウス時代の「VIRUS CAPSULE」など、ロックンロールのアウトロー的な魅力が散りばめられ、ギターサウンドの熱量を体現できるアルバムとなっている。なんといっても、シーナがコーラスで参加している「I LOVE YOU」は、鮎川とシーナの生涯にわたるラブリーな関係性を1曲にパッキングしたような大名曲で、今聴いても胸がキュンとなる。