先日、妹とカラオケに行き、流れで『ミュートマJAPAN』しばりになった。
『ミュートマJAPAN』とは、80年代のロックシーンを牽引した(嘘)テレビ神奈川の
邦楽 MV 番組。中高生時代によく観ていた曲を思い思いに熱唱する。
妹が BOØWY「わがままジュリエット」を歌えば、私はルースターズ「SAD SONG」で応戦する中、カラオケが見つからなかったのが中川勝彦こと “かっちゃん” である。なんでないの~?(涙)
最初に観たのはデビュー曲「してみたい」。和製デヴィッド・ボウイと称され、その美貌でもファンを魅了したかっちゃんは、CM に時代劇、深夜放送、少女マンガ、バラエティー、音楽シーン、美少年シーン(何だそれ)まで、八面六臂の活躍だった。
本人出演の缶紅茶、TESS の CM のかっちゃんはマジ王子だったと思う。王子なのに飄々として腰が低く、茶目っ気があったのも魅力だった。『TOKIOロックTV』(テレビ東京)では、なぎら健壱と一緒に司会をしていたっけ。
一度だけ彼のステージを観た。カルチャー・クラブの武道館公演だった。かっちゃんはこの公演に前座で出演したのだ。カルチャー・クラブは2nd アルバム『カラー・バイ・ナンバーズ』がヒットしていた頃で、私にとっては初の外タレコンサート。超ドキがムネムネしていた。
相当記憶があやふやだが、かっちゃんはお面をかぶって登場し、観客が「すわ、ボーイ・ジョージか?」と喜びどよめいたのもつかの間、フタを開けたら違って皆がっくり、というオチだったように記憶している。また、最後の曲での MC もよかった。
「みなさん、よいお知らせがあります。僕の出番は次の曲で終わりです!」
こういうシニカルで自虐的なユーモアが大好きな私。自分史的に名 MC の一つに刻まれている。
その後、1992年に白血病を発症し、1994年9月に逝去。まさに美人薄命を地で行ったアーティストだった。初めて中川翔子こと “しょこたん” を見た時は、あまりに似ていて胸が詰まったものだ。
しょこたんは今も父の曲をコンサートなどで歌ったりしているらしい。泣ける。
追記
本コラムを書いたのは2016年4月のこと。さすがに平成も最後の夏を迎えた今ならもうカラオケもバッチリ!ウッシッシ!…とウキウキして調べたら…ない! どんなに調べてもかっちゃんのカラオケはやっぱりないのでした。号泣。
カラオケ会社各位、以下リクエストを列挙してみますので、是非前向きにご検討いただきたく。
マジで歌いたい〜!
■してみたい
■Skinny
■ナンシー・Chang!
■from シンデレラ
■雨の動物園
■please,understand me
■夜風からビーチ・ムーン
■僕たちのマンネリズム
■クール・ロマンティック
■TVの恋人
■花の首飾り
※2016年4月8日に掲載された記事をアップデート
2018.07.20
YouTube / wish knss
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