6月1日

稲刈りなのか安来節か!? ブライアン・フェリー紙一重のダンディズム

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ロキシー・ミュージックのアルバム「アヴァロン」が全米でリリースされた日
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photo:FANART.TV  

イギリスのロックが好きだ。

なぜだろう。アメリカよりも普通に、イギリスが好っき~♪ 

僕が生まれ育った北九州は鉄の街として栄えた。1960年代に建築された当時東洋一の吊橋若戸大橋も、工業中心に衰退していった1970年代の経済事情とともに外観は寂れ、その巨大な鉄とコンクリートの塊は街のモノクローム感に箔をつけた。

橋の近くを通いながらの予備校時代、写真でしか見たことの無いイギリス北西部の街マンチェスターの風景にこれを重ね、妄想し勝手に思っていた。

リヴァプールよりも普通に、マンチェスターが好っき~♪ 

マンチェスターからはオアシスやヴァーヴとか出てきた。みんな好きである。イギリスのロックが好きである。

キング・クリムゾンも大好きなイギリスのバンドだ。その主要メンバーであるグレッグ・レイクはエマーソン・レイク&パーマーの結成に向けクリムゾンを脱退する。バンドはオーデションをやり、そこにやってきたのがブライアン・フェリーである。

1970年。見事採用ならなかったブライアン・フェリーは翌1971年ロキシー・ミュージックをスタートさせる。不採用のおかげで、大好きなバンドがまた一つ誕生するのである。

ロキシー・ミュージックにおいて70年代に発表されたアルバムについてはそうときめくものは無かった。当時のインフォメーション自体もコマーシャルなものはあまり憶えがない。グラムロックのカテゴリーで語られていたのか。ただ、ジャケットは秀悦であった。当時の僕には音楽の内容が入ってこなかった。すばらしいジャケットのせいにしてしまおうか。

80年代に入り事態は急転する。82年にアルバム『アヴァロン』が発売されるのである。それぞれの楽曲とそれをまとめたボブ・クリアマウンテンのミックスダウンにいきなりノックダウンである。

きっと僕だけではない。世界中に驚いた人が沢山いたはずだ。

ケルト神話からのアーサー王に纏わる伝説の島アヴァロン(極楽島)をモチーフにした作品だ。題材の広大さ、スケール感をボブ・クリアマウンテンのミックスは最大限に表現した。

この時、僕と一緒に盛り上がってくれたひとりがキング・クリムゾンを率いるロバート・フィリップだと思う。なぜかって?

バンド8枚目にあたる『アヴァロン』を引っさげてのロキシー・ミュージック、フランス公演におけるオープニングアクトはなんとキング・クリムゾンなのである。ご縁と申しますか、なんと申しますか。

そして日本、1983年2月10日、木曜日。この日がロキシー・ミュージックの日本武道館公演の日となった。そら観に行きましたがなあ、あんた。

これは稲刈りなのか、はたまた超低めサイドスローなのか。タキシード姿で下半身を落とし、両手を交互に外側から内側に掻いてまわす独特のダンスに痺れた。日本と英国の表現方法の違いからかなんとも言えないこの感じ、これ安芸節じゃないですよね。紙一重のダンディズムのカッコよさにホント痺れた。

きっと誰も真似できないんだろう。彼だけが許されているのだろう。このダンスでこの色気。

やっぱあんた色男なんやね。

2017.04.16
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  Youtube /  RoxyMusicVEVO


  YouTube / NudeAvenger
 

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カタリベ
1959年生まれ
安藤広一
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