TOTOやジミー・ペイジなど、スタジオ・ミュージシャン出身のアーティストは数多くいますが、エンジニア出身のアーティストは珍しいでしょう。
ここに紹介したいのは、ビートルズやピンク・フロイドのスタジオ・エンジニアを務めたアラン・パーソンズによるユニット、その名もアラン・パーソンズ・プロジェクト。
私がアラン・パーソンズ・プロジェクトを知ったのは82年のヒット「アイ・イン・ザ・スカイ」。全米のヒット・チャートで3位を記録したのでFMでよくかかってました。
映画「ブレードランナー」の原作者として知られるフィリップ・K・ディックによる初期作品「宇宙の眼(Eye In The Sky)」から着想を得たアルバム『アイ・イン・ザ・スカイ』のタイトル曲。一聴するとちょっと地味なんですが、静かな感動がふつふつと湧いてくる名曲です。
この曲だけで聴くのもいいのですが、アルバム冒頭の幻想的なインストゥルメンタル「シリウス」から繋がってますので、続けて聴くとさらに深い味わいがあります。ちなみにこの「シリウス」はアメリカのプロ・スポーツのブレイク時によく流されたりします。
また、エンジニアを務めたからというわけではないでしょうが、彼らはよくピンク・フロイドを引き合いに出して語られます。
コンセプト・アルバムが多いですし、プログレ的長尺曲もあります。それらに加えてラジオ向きの必殺バラードも多いのが彼らの魅力のひとつ。「タイム」「オールド・アンド・ワイズ」など泣ける名曲がありますが、「アイ・イン・ザ・スカイ」と並んで代表曲なのが「ドント・アンサー・ミー」(意外にも全米15位止まり)。アメコミ風のミュージック・ビデオが非常に印象深い曲ですが、ハッピーエンドの清々しいビデオに反してどうやら別れの場面のような歌詞。
一筋縄ではいかないアラン・パーソンズ・プロジェクトの魅力、また機会がございましたら続篇を…
2016.08.30
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