日本発・世界的人気の双子キャラクター! マリオ&ルイージ
2023年4月に公開された映画『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』が、日本での興行収入100億円を突破した(5月28日現在)。公開後5週間での100億達成は、日本における洋画アニメ史上最速記録となった。海外での興行収入も5月23日現在で1000億円を大幅にオーバーと好調。マリオとルイージの双子兄弟の世界的な人気は、思った以上に大きく、根強いものがあるようだ。
スーパーマリオブラザーズといえば、1983年の任天堂ゲーム『マリオブラザーズ』から発展した1985年発売のファミリーコンピューター用のゲームソフトの名称。ファミコン及びスーパーファミコン(スーファミ)の普及に大いに貢献した大ヒットゲームソフトで、アラカン世代までのシニア層含む老若男女への認知度は最も高いゲームソフト作品だろう。『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』の、特に日本でのヒットは、ゲームを恒常的にやらない世代でも、妙に納得できるのではないだろうか。
映画「スーパーマリオ」で楽しめる70~80s洋楽ヒットソング
多くのシリーズを生んだゲームソフトの世界観を活かして、ストーリー仕立ての初映画化は、任天堂とイルミネーションによる日米合作。映画で使用されるBGMは、基本的にこれまでのゲームソフトBGMのアレンジや海外アーティストによるそれを活かした楽曲たちが並ぶ。
そんな中、映画本編には異色ともいえるような、かつて1970~1980年代のヒットチャートを賑わせた、いくつかの洋楽ヒットソングがまぶされている。我々には耳なじみな洋楽ヒットが、このゲームソフトから誕生したアニメ映画のBGMに、どのように使用されているのか、聴いてみよう。
a-ha / テイク・オン・ミー まずはお馴染みみんな大好き、a-ha「テイク・オン・ミー」(1985年全米シングルチャート1位)は、主人公たちがジャングル王国を駆け抜けるシーンのBGMとして使用。
ノルウェイのポップロックバンドの超代表曲は、疾走感あふれる場面では効果絶大と思われる。日本ではパラパラブームやエレポップリバイバルでことある毎にピックアップされてきた楽曲で、1980年代ナンバーワンソングの中では屈指の “聴き継がれてきた” 作品。
エレポップリバイバルの直接的火付け役ザ・ウィークエンドのメガヒットにして、「テイク・オン・ミー」パート2とも言われた「ブラインディング・ライツ」(2019年)の余韻冷めやまぬ中、そしてアメリカでゲームソフトが発売されたのがちょうどa-haがナンバーワンとなったころ(1985年秋)だったとのことで、これは絶妙な選曲だ。
ボニー・タイラー / ヒーロー マリオとピーチ姫がからむ場面をアゲアゲで盛り上げるのが、ボニー・タイラー「ヒーロー(Holding Out For The Hero)」(1984年34位)。ご存知特大ヒット映画のサントラ『フットルース』(1984年)から、ケニー・ロギンス、デニース・ウィリアムスやシャラマーに次ぐヒットとなった作品。日本では麻倉未稀の日本語バージョンとの相乗効果もあって、本国アメリカ以上にいまだに認知度の高いヒットソングとして君臨している。
21世紀に入ってからも、聴くものを鼓舞させるスポーツ場面(とりわけ「スクールウォーズ」の印象からかラグビーで!)やカリスマ性は、まさしくヒーロー感を演出したい場面で、もはや定番楽曲として驚くほど重宝しているので、これもまた絶大なイヤーキャッチとなった選曲だ。
エレクトリック・ライト・オーケストラ / ミスター・ブルー・スカイ 1970年代から1980年代にかけてジェフ・リンのポップセンス満載なヒットソングを連発したエレクトリック・ライト・オーケストラ(以下、ELO)は、兄弟の新章の幕開けを描いた場面で「ミスター・ブルー・スカイ」(1978年35位)が使用された。
当時海外では(日本でも)小ヒットどまりだった、ELOレパートリーの中ではどちらかというと認知度の低い作品だったが… 1990年代以降、世界各国でジワジワとその名曲感が評価されはじめ、21世紀に入ってからはELOの代表曲へと昇格したような楽曲。
日本では映画・ドラマ『電車男』(2005年)で、やはり海外での小ヒット「トワイライト」(1981年38位)が使用され、グループ最大の認知度を誇るヒットソングとなり、ELOの知名度が格段と上がったという経緯があるので、特異な立ち位置にいるアーティストということになるだろう。
注目楽曲はまだまだあるぞ!
主人公のクルマ選びからレースシーンまでを彩ったAC/DC「サンダーストラック」(1990年)なんていう楽曲も使用されているが、70~80年代ポップ・クラシックスという意味では、上記3曲が特筆すべきBGMだ。
日本発で海外でも一世を風靡したゲームソフトのアニメ映画で使用された3曲の、かつての洋楽ヒットソング。日本と海外での現在の立ち位置を鑑みれば、これ以上ない絶妙な選曲だったと思わざるを得ない。
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2023.06.07