今回これを書くキッカケから、お話しさせて頂きます。
前回は昭和歌謡にハマったきっかけでもあるチェッカーズの「ギザギザハートの子守唄」のお話しをさせて頂きましたが、この次をどうするかで僕は悩みました。
チェッカーズの次だし、C-C-B でも語ってみるか? いや、待てよ。もっと平成生まれらしくないのも書きたいなぁ。じゃ、ここはいっそ戸川純で書いてみるか!
でも何か僕の中でヤキモキしたものがありました。もっと違う観点から書けるものがないかと…
そんなある日、BS12トゥエルビで放送している番組『ザ・カセットテープ・ミュージック』の書籍発売記念のサイン会に行き、たまたまそこに居合わせた昭和歌謡仲間とその終わりでお茶会をすることになりました。
ふとサザンオールスターズのキーコードの話をしたところ、仲間の一人がピアノが弾ける方だったこともあり、非常に共感して頂きました。
「それを、次のリマインダーで書きなよ」
そう背中を押され、今回、サザンについて書く事となりました。長々とすいません。
さて、ここからが本題。
サザンオールスターズは今年2018年でデビュー40周年。僕はサザンファン歴15年とまだまだですが、何故今日までに、ずーっと、各世代から愛されてきたのか… そして、これまでいくつの名曲が誕生してきたのかを考えた時に、僕はある法則を見つけました。
僕たちが聴いてきた、耳に残りやすい、所謂サザンのポピュラーソングを分類してみると、大きく4つのキーコードに分けられ、それぞれに特徴や法則性が見られるのです。
まず、キーコードについて簡単に申し上げておきます。これは楽器を演奏される方ならわかりますが、その楽曲の演奏や歌唱の際に合わせる調のことで、メジャーとマイナーとがあり、メジャーが長調と明るめ、マイナーが単調と暗め、わかりますでしょうか?
というわけで、今回取り上げるのは、僕が勝手に命名しましたが、サザン・ストレートキーコード「D(メジャー)」です!
サザンの名曲中の名曲と言われるものにはこの「D(メジャー)」が多いんです。例えば、誰もが知るサザンの名バラード「いとしのエリー」。この曲のキーコードは「D(メジャー)」です。
よくスージー鈴木さんやマキタスポーツさんが話されている “カノン進行” をなぞりながらも、意外なコード進行で展開しているので、結構コード進行を覚えるのが大変なんですが、これをスムーズにギターで弾けると…
実に気持ちがいいんですねぇ!
イントロの「D(メジャー)」の入りはたまらないですねぇ。『ふぞろいの林檎たち』のオープニングが目に浮かびますなぁ。
そして、「真夏の果実」と「希望の轍」。
この2曲も「D(メジャー)」なんです。これらは、桑田佳祐監督作品、映画『稲村ジェーン』の挿入歌としても有名ですが、「D(メジャー)」の特色を存分に生かしてるのが「真夏の果実」です。安定したゆっくりとした静かな「D(メジャー)」が、切なさ、悲しさ、後ろめたさを感じさせてくれます。そして、その充満した感情が、サビで冷めたマグマのように放出されてます!
そして「希望の轍」、これは基本的にはAメロが「D(メジャー)」を主体にしてます。Bメロとサビは、どちらかというと「Bm(マイナー)」が強めになってるんですが、序章として使用している「D(メジャー)」がこの後のBメロとサビを引き立てる、いいスパイスになってるんですねぇ。
そして、90年代後半以降も、
「LOVE AFFAIR〜秘密のデート~」
「TSUNAMI」
「涙の海で抱かれたい〜SEA OF LOVE〜」
「DIRTY OLD MAN〜さらば夏よ〜」
どれも世間では認知度の高い名曲で、カラオケでも歌われる回数が多いものばかり。
総評すると、サザン・ストレートキーコード「D(メジャー)」とは、
名曲が生まれやすく、なおかつ世間に覚えてもらいやすいメロディーを作り出す、クレージーキャッツ、またはザ・ドリフターズ的なキーコードではないでしょうか!
2018.07.17
YouTube / サザンオールスターズ
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