若い頃のクリスマスはマウント意識が先行して、浮足立って街に出かけることが何よりと考えていたが、年を重ねるにつれ、何事もなかったように淡々と仕事をしていることが多くなった。それでもクリスマスは特別な日。そう思わせてくれるのは、ジョン・レノンの「ハッピー・クリスマス - 戦争は終わった(Happy Xmas - War Is Over)」であったり、この曲にインスパイアされたと思われる佐野元春の「CHRISTMAS TIME IN BLUE - 聖なる夜に口笛吹いて」だった。
そして、もう一曲。僕にとって、極上のクリスマスソングがある。それはポーグスの「ニューヨークの夢(Fairytale Of New York)」だ。
ケルテックパンクと称される彼らのサウンドは、メンバーの生まれ故郷であるアイルランドのトラッドミュージックであるケルト音楽をパンクロックのグルーヴに持ち込んだもの。この「ニューヨークの夢」は、彼らのそんなスピリットが集大成され、音楽的深化を遂げた傑作サードアルバム『堕ちた天使(If I Should Fall From Grace With God)』に収録され、多くのイギリス人に愛されている。