1月5日

忘れていた夏の定番、リチャード・マークス「エンドレス・サマー・ナイツ」

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今年も夏がやって来てしまった。思わず「来てしまった」と言いたくなるくらい、最近の東京の夏の暑さは半端ない。

僕は仕事で東南アジアやインドに行くことがあるが、正直、8月の東京の方がずっと不快だと思う。これが地球温暖化のせいなのか、東京湾岸に乱立する高層ビル群のせいなのか、単に僕がオッサンになっただけなのかは判らない。

とにかく、そんな時は気分だけでも爽やかに… ということで夏曲である。

かつて夏曲と言えば、サーフィンとホットロッドだった。もちろん、米国が誇る西海岸出身のロックバンド、ビーチ・ボーイズのことだ。

改めて言うまでもないが、このバンドは1960年代に「サーフィン・サファリ」、「サーフィン・U.S.A.」、「サーファー・ガール」等々、夏の名曲を無数に生み出している。中でも、80年代の音楽ファンにとっては、ヴァン・ヘイレンを脱退したばかりのデイヴィッド・リー・ロスがカバーしてヒットした「カリフォルニア・ガールズ」が馴染み深いかもしれない。

でも、本来、サーフィンミュージックというのはボーカルが無いのが普通だから、ビーチ・ボーイズは実は例外で、ザ・サーファリーズの「ワイプ・アウト」のようなインストゥルメンタルこそが夏曲の基本と言えるかもしれない。

ちなみにこの「ワイプ・アウト」、80年代には3人の体重を合計すると1,000パウンド(453kg)というラップグループ、その名もファット・ボーイズによってカバーされたことでも知られている。この陽気なサーフィンラップには、何とバックコーラスにビーチ・ボーイズが起用された。

いずれにしても、僕たち世代にとっては、こういう60年代の西海岸系のサウンドが夏曲の原風景にあるんじゃないかと思う。その証拠に、このサウンドの延長線上にあった大滝詠一『A LONG VACATION』や山下達郎『FOR YOU』が、80年代の大学生の夏のドライブ BGM の一大定番になっていた。

とは言え、この手のサウンドだけが夏曲という訳ではない。60年代から70年代にかけて、ラヴィン・スプーンフル「サマー・イン・ザ・シティ」、マンゴ・ジェリー「イン・ザ・サマータイム」、アリス・クーパー「スクールズ・アウト」、シールズ&クロフツ「想い出のサマー・ブリーズ(Summer Breeze)」等、様々なタイプの夏の名曲が生み出された。

だが、それ以降、この手の “いかにも” な夏曲は、徐々に少なくなっていった気がする。上述の「カリフォルニア・ガールズ」や「ワイプ・アウト」のカバーや、クール&ザ・ギャング「サマー・マッドネス」をサンプリングした DJジャジー・ジェフ&フレッシュ・プリンス「サマータイム」のような過去ネタの再利用はあるが、オリジナル楽曲となるとなかなか思いつかない。

当時の記憶を無理やり呼び起こそうと思っても、せいぜいザ・モーテルズ「想い出のラスト・サマー(Suddenly Last Summer)」、バナナラマ「ちぎれたハート(Cruel Summer)」、ドン・ヘンリー「ボーイズ・オブ・サマー」、ブライアン・アダムス「想い出のサマー(Summer Of ’69)」くらいしか出てこない。

更に、90年代以降は、曲名に「サマー」とか「サーフィン」とか、直接的に夏を想起させるワードが入った夏曲は、ほとんど絶滅してしまった。だから、こうやって夏曲を追い求めてしまう習性は、僕たち世代ならではなのかもしれない。

あっ、ここで80年代の夏曲をもう1つ思い出した。リチャード・マークスの「エンドレス・サマー・ナイツ」だ。すっかり忘れていたが、当時は結構売れたはず。この曲も時代の空気を感じる曲だし、30年ぶりに聴いてみるとするか。


Song Data
■Endless Summer Nights / Richard Marx
■作詞・作曲:Richard Marx
■プロデュース:Richard Marx, Humberto Gatica
■発売:1988年1月5日

2018.07.31
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  YouTube / Richard Marx
 

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