昨年(2017年)7月20日に御年70歳を迎え、現在もその活動は盛んな偉大なギタリスト、カルロス・サンタナ。サンタナと言えば、やっぱり「哀愁のヨーロッパ(Europa)」でしょうかねえ。泣きのギターの代名詞的なこの曲をほとんどの人が一度は耳にしたことがあるのでないでしょうか。
69年にデビュー、ウッドストックでの名演を経て「ブラック・マジック・ウーマン」が70年にヒット、76年に前述の「哀愁のヨーロッパ」をヒットさせ(特に日本で)、99年にはロブ・トーマスとの「スムース」が大ヒット(野口五郎もカヴァーしました!)、コラボ路線を定着させ続く2000年代にもミシェル・ブランチやチャド・クルーガー(ニッケルバック)らとのコラボを成功させました。2010年代も2018年までにアルバム4枚をリリース。凄いですねえ。
でも、待って。あれ? 80年代は? いやいやあるでしょう80年代も。そう、私がサンタナを初めて聴いたのは82年発表のアルバム『シャンゴ』収録のスマッシュヒット「ホールド・オン」。彼の長きに渡る様々な活動の中では既に埋もれてしまってるかもしれませんが(2007年発表のベスト『ヴェリー・ベスト・オブ・サンタナ(Ultimate Santana)』には収録されず)、80s 洋楽が好きなリスナーのなかにはハートにまだ刺さっている方もいらっしゃるでしょう。
この AOR とも歌謡曲とも解釈できる情熱的なメロディーと軽快なサウンド。ちゃんとラテン哀愁ギターソロも入っている。今聴いても心躍ります。これを聴いた時は恥ずかしながらまだサンタナというグループをよく知らず、パーマネントなヴォーカリストがいないとかもわからず、歌もギターもサンタナさんという人がやってるのかな? くらいに思ってました。
高中正義も愛用したヤマハSGを一躍有名にしたとか、ジャーニーがサンタナにいたメンバーで結成されたこと、「哀愁のヨーロッパ」や「ブラック・マジック・ウーマン」をヒットさせた人と後になって知り感嘆した次第です。
実はこの「ホールド・オン」は「ブラック・マジック・ウーマン」同様カヴァー曲で、オリジナルはカナダのシンガーソングライター、イアン・トーマスによるもの。オリジナルを聴いていただければ、原曲がサンタナのデモ・ヴァージョンかと思ってしまうくらい、サンタナのアレンジとギターが本当に素晴らしいことがわかります。
ミュージックビデオはコミカルな要素も加わったこの時代らしいつくりで微笑ましい。経年変化がわかりづらいルックスのサンタナですが、さすがにこの頃はまだまだ若い(当時35歳)。ギターソロの部分だけは演奏シーンで見せてくれるところが嬉しいです。
2010年にはレ二ー・クラヴィッツの『自由への疾走(Are You Gonna Go My Way)』で印象的だったドラマー、シンディ・ブラックマンと結婚(2015年からはサンタナのドラマー)。今年も大規模なツアーを予定しており公私ともに充実、まだまだサンタナの輝かしい歴史は続きます。
でも、そんな彼の凄いキャリアの中でやっぱり私にとって外せない彼のナンバーは「ホールド・オン」なのです。
2018.05.15
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