11月2日

浅香唯「メロディ」アイドル絶頂期の傑作メッセージソング 

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浅香唯の転機「スケバン刑事Ⅲ」主役に抜擢されてブレイク


浅香唯が芸能界入りのきっかけとなった雑誌主催のオーディションに応募したのは、優勝賞品のステレオとグアム旅行が目的だった… というエピソードにも象徴されるように、そもそもが芸能の道を志していたわけではなかったと聞く。歌手デビュー後しばらくはヒットに恵まれなかったものの、『スケバン刑事Ⅲ 少女忍法帖伝奇』の主役に抜擢されてブレイクし、ドラマ主題歌でベストテン入りを果たした。

そこに至る経緯は、同期デビューの南野陽子と一緒。もしも『スケバン刑事』への出演が決まっていなければ、「ヤッパシ…H!」や「コンプレックスBANZAI!!」など、ノヴェルティタイプの曲が際立つカルトアイドルのポジションに分類されていたことは想像に難くない。秀逸な楽曲群であり、個人的にも大好きな、愛すべきアイドルポップスであったが…。

風間三姉妹のイメージを打ち破る新生・浅香唯


メジャーに転じた後は、「STAR」「瞳にSTORM」「虹のDreamer」「Believe Again」と主題歌ヒットが連なることとなるが、どの曲にも常にドラマの役柄だった風間三姉妹の末妹・風間唯の姿が重なって見えたのも事実。それを打ち破ったのが、1988年4月にリリースされた「C-Girl」である。

自らがイメージキャラクターを務めた「カネボウ’88 夏のプロモーション」のキャンペーンソング。オリコンでも『ザ・ベストテン』でも1位に輝き、自身最大のヒットを記録している。

ジャケットの大人っぽいビジュアルも含めて、ここから明らかに浅香唯は変わった。歌番組に登場した際の表情にも自信が感じられ、覚醒したなと思わされたものである。キャンディーズ「暑中お見舞い申し上げます」、榊原郁恵「夏のお嬢さん」、松田聖子「夏の扉」などなど、トップアイドルにとって不可欠な、突き抜けた夏うたの誕生であった。

しかも、新生・浅香唯はそこでとどまらなかった。続いて秋に向けてのセンチメンタルな楽曲「セシル」をヒットさせる。サガンの小説『悲しみよこんにちは』の主人公・セシルが題材とされた大傑作は、前作に続きNOBODYの作曲で、サビのフレーズが特に印象的な詞は、麻生圭子の作。後に浅香自身がこの歌詞について、「人は年を重ねると体が弱くなっていくという意味だと思った」と笑いを誘うネタにしているところがまた面白い。

浅香唯のイメージに相応しいメッセージソング「Melody」


そんな「セシル」の次のシングルとなったのが「Melody」である。「C-Girl」の森雪之丞が作詞し、TM NETWORKの木根尚登が浅香に初提供した楽曲。当初は小室哲哉が提供する予定もあったらしいが、コンペの結果、木根の曲が採用される。デビュー曲「夏少女」以来となる、サビから始まる構成でひたすら明るい曲調は、「C-Girl」で確定した浅香のイメージに相応しかった。そして「Believe Again」も手がけた萩田光雄のアレンジも出色。

1988年11月にリリースされた冬の時期のヒットではありながら、メロディもリズムも弾けた、“ゴージャスで快活な楽曲” というイメージがある。テレビで歌っている姿も楽しげに見えたが、とにかく多忙を極めていたため、『ザ・ベストテン』にもスケジュールの都合で欠席が多くなり、そのせいもあってか、チャート1位を逃してしまったのは残念だった。

しかしながら、翌1989年1月リリースの「TRUE LOVE」では4作目となるチャート1位を獲得し、同年4月には2作目の主演映画『YAWARA!』が公開されるなど、浅香唯のアイドルとしての絶頂期に出された明るく前向きなメッセージソング「Melody」は、紛れもない傑作のひとつである。

なお、アルバム『MELODY FAIR』には、シングルにはないコーラスが重ねられた別ヴァージョンが収められているので、そちらもぜひ耳を傾けてみて欲しい。

それにしても現在の浅香唯、デビュー35年を超えたのが信じられないほどの可愛らしさの秘密は一体どこにあるのだろうか? それはきっと、いつまでも自分をあきらめないで、ずっと心のときめきを持ち続けているからに違いない。



2021.06.17
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カタリベ
1965年生まれ
鈴木啓之
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