女の子は多かれ少なかれ、マテリアル・ガールなのかな。
横浜の公立高校から、都内の私立の女子大へ進学したとき、同級生や上級生の女の子たちの出で立ちにカルチャーショックを受けた。
キレイにフルメイクをして身に着けるものはハイブランド ― CHANEL、GUCCI、PRADA、Louis Vuitton が人気だった。サングラスをかけ、ピンヒールで闊歩する、雑誌から出てきたようなゴージャスな子たちも何人かいた。年に2、3回は海外旅行に行き、夜は合コンかClub通い。
私はすごく不思議だった。
学生の身分でそのお金はどこから?
併設の高校から上がってきた子たちは、親がお金持ちの子も多かったし、美しい女性には貢いでくれる男性たちもいたし、飲み屋でバイトしたら1日に70,000円稼ぐ売れっ子もいた(その子は1,000万以上ためてロンドンに数年留学した)。それでも、私の大学時代は90年代後半で、すでにバブルがはじけていたから、景気が悪いと言われ、就職氷河期であった。
マドンナの「マテリアル・ガール」がヒットした1985年以後にバブル景気がやってきて、その頃に20代だった女性たちに話を聞くと、「今日身に着けているもので自分で買ったものはない」「お会計で自分の財布は一度も出したことがない」と聞いた。タクシーは行列で乗車拒否が当たり前、レストランもいつも行列、就職先はいくらでもあり、OLが株をするのが普通。
ある意味、明るさと勢いのあるいい時代ですね。長くは続かなかったけれど。
かく言う私も、なんてことはない着道楽。奮発して50,000円のブランドのスカートをはいていたとき、「同じスカートでも、あなたが着るのと、外国人モデル? セレブ? が着るのは全然違う」と言われたことがある。
時代は大きく動くし、若さも永遠ではない。ずっとマテリアル・ガールではいられない。素敵なものを身に着けて似合うように、女性としての自分に磨きをかけたいとその時思った。
マドンナさん、間もなく60歳。彼女の強靭なスピリットと飽くなきチャレンジ精神を見習いたい。
※本コラムは2016年10月12日に掲載された記事を加筆修正したものです。
2017.12.27
YouTube / Warner Bros. Records
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