1985年にリリースされた4枚目のシングル「卒業」
尾崎豊について何かを語るのは本当に難しい。なぜなら、尾崎豊というアーティストに対する熱量を持つ人とそうでない人が圧倒的に分かれるからだ。
当時、スプリングスティーンや佐野元春が好きだった僕からすると、彼の存在は気になっていたし、デビューアルバムに入っていた「十七歳の地図」は大好きな曲だった。でもこの「卒業」は違った。
決して嫌いではないけど、受け止める感触というか温度が違ってしまった。自分が高校を卒業する前にこの曲を聞いていたら、もっと深くのめり込んだのでは? と思ったこともある。だけど恐らく、それはタイミングだけのせいではない。
たった1年で、無名の青年から若者のカリスマへ
「卒業」がリリースされる1年前、デビューした頃の尾崎豊を知ってる人は僕の周りでは皆無に近かった。それがほんの1年も経たないうちに、「若者の教祖」とか「カリスマ」といった扱いに変わっていったのだ。実感からすると、死してそうなった感じではない。
それは当然彼の才能によるものが大きいわけだが、生きていながらも全てが伝説のように語られ、尾崎豊の存在は凄まじいスピードで大きくなっていった。今のようにSNSなどない時代である。大騒動だった。
後になって思うことではあるが、彼はこのタイミングでとてつもなく色んなものを背負い過ぎちゃったたんだろうな。
メジャーになるってことは魂を売るってこと?
ただ、僕はガキだった。先物買いファン心理特有の、なんか取り残されたような気持ちになってシニカルな言葉を発してみたり、「メジャーになる=魂を売る」みたいな恐ろしく一元的な考えも持っていて素直になれなかった。
あれから30年強。ようやっとこの曲が普通に聴けるようになったけど、あれ? イマドキの10代と一緒に歌えないじゃん!
イマドキ10代が選ぶ!この時期に歌いたい卒業ソングランキングTOP10
音楽コミュニティアプリ「nana」アンケートより(2016年)
1位:桜ノ雨 / halyosy feat.初音ミク
2位:旅立ちの日に / 合唱曲
3位:3月9日 / レミオロメン
4位:YELL / いきものがかり
5位:さよならメモリーズ / supercell
6位:証 / flumpool
7位:道 / EXILE
8位:さくら(独唱)/ 森山直太朗
9位:手紙 ~拝啓 十五の君へ~ / アンジェラ・アキ
9位:栄光の架け橋 / ゆず
2016.04.03