3月

ビリーとレイの共演♪ ピアノマンの人生を綴った「ベイビー・グランド」

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photo:45cat  

 誰もこんな曲をラジオで
 かけたりしないと人は言う
 メランコリーなブルースなんて
 ひどく時代遅れだと
 でも、マイナーキーで演奏される
 こういう歌だけが
 想い出をつなぎとめてくれる


どこを切っても大好きな歌の、とりわけ好きなフレーズだ。ビリー・ジョエルは「ベイビー・グランド」をたった一晩で書き上げたという。そのインスピレーションとなったのは、もちろんデュエットの相手であるレイ・チャールズだ。

あまたのピアノ弾きと同様、ビリーもまたレイに大きな影響を受けたひとりだ。娘の名前にアレクサ・レイと付けるほどだから、よほど尊敬しているのだろう。

「レイ・チャールズみたいにはなれっこない」とインタビューで語っていたビリーだが、いざ共演するとなったときに書き上げた曲が、ど真ん中のレイ・チャールズ・スタイルだったというのは素敵な話だ。しかも、ここでのビリーは、少しでもレイに近づこうと、喉を精一杯震わせて歌うのだ。


 夜が更けて
 暗く冷え込んでくると
 誰かのぬくもりが欲しくなる
 僕がブルーなとき
 僕が孤独なとき
 彼女は来てくれる
 彼女でなければダメなんだ
 僕に必要なのは
 ベイビー・グランドだけ


恋人になぞらえてはいるが、「ベイビー・グランド」を訳すと小型のグランド・ピアノという意味になる。つまり、ダブルミーニングのラヴソングというわけだ。ちょうどレイの代表曲「ジョージア・オン・マイ・マインド」と同じように。そして、ビリーがレイのために書いたのは、ピアノマンの人生を綴った歌だった。

長いロードの果てに、友達は去り、名声は消え、財産も失い、女達はどこかへ行ってしまった。でも、ピアノだけは変わらずそばにある。だから、大丈夫。今も。そして、これからも。

レイがこのメロディーと歌詞に共感したであろうことは、その歌声から十分に伝わってくる。絞り出すようなヴォーカルには、人生の辛苦と過ぎ去った日々へのノスタルジーが滲んでいる。

曲はビリーとレイが交互にヴォーカルを取り合いながら進行していく。ハイライトは最後のヴァースだろうか。あたかも、ビリーがこれからの未来を憂い、レイがこれまでの人生を振り返っているかのようだ。悲しい歌を、2人はどこまでもロマンティックなものに仕上げている。


 人生に迷ったまま
 随分と遠くまで来てしまった
 体の傷は
 飛び込みで演奏したときのものだ
 今は家にいる
 もう疲れた
 骨の髄まで
 一夜興行のわびしさが染みついている


でも、そばにはベイビー・グランドがいる。「必要なのはこの手のパワーだけ」とレイ・チャールズが歌う。ピアノマンの指先が動けば、美しいメロディーが聴こえてくる。だから、きっと大丈夫なのだ。

2017.10.17
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  YouTube / Luis Nassif
 

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カタリベ
1970年生まれ
宮井章裕
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