8月

もう文句は言わせない!マイケル・マクドナルド初のソロアルバム「思慕」

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マイケル・マクドナルドのアルバム「思慕(ワン・ウェイ・ハート)」が全米でリリースされた日
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photo:Warner Music Japan  

マイケル・マクドナルドというアーティストは、多芸多才にも関わらず、その評価が賛否両論に分かれることが多い。

理由は明白、栄光のドゥービー・ブラザーズの音楽性を180度変えてしまったというものである。

1974年にスティーリー・ダンのメンバーとなった彼は、75年から82年まではドゥービーのリードボーカルだった。それ以前のドゥービーは、殆どのオリジナル曲を手掛けるトム・ジョンストンのギターのリズムカッティングが印象的、ハイウェイを車で突っ走る時のような爽快感を感じさせる… いかにも西海岸っぽいバンドであった。

ところが、マイケルがリーダーシップを取るようになって、すっかり “おしゃれ” なポップソウル路線に変わってしまった。それが、多くのファンにとって納得がいかなかったのだ。

確かにトム時代のドゥービーは、米国で最も “かっこいい” ロックバンドだったと今でも僕は思っている。それと比べると、マイケルが小太り・髭面のルックスでモゴモゴと歌う姿はお世辞にもかっこいいとは言えなかった。

とはいえ、彼がバンドに入ったのはトムが病気で退いたからだし、彼が中心となった「ある愚か者の場合(What A Fool Believes)」は世界的なヒットとなりグラミー賞にも輝いた。

この曲のリフレインに見られる、キーボードでリフを刻んでリズムを作り出すスタイルはマイケル・マクドナルド・サウンドの特徴と言えるが、それは初のソロアルバム『思慕 -ワン・ウェイ・ハート-(If That's What It Takes)』で更に磨かれた。

ドゥービー在籍時はトム・ジョンストン時代の残り香と共存していた感じだったが、ソロでは彼のサウンドが躊躇なく前面に押し出された。シングルカットされた「アイ・キープ・フォーゲッティン」では、ルイス・ジョンソン(ベース)、ジェフ・ポーカロ(ドラム)、スティーヴ・ルカサー(ギター)ら一流セッションミュージシャンを従えて、都会的で洗練されたサウンドをここぞとばかりに見(魅)せている。

そんな彼にはもう1つの顔がある。バックボーカリストとしての顔だ。実際、クリストファー・クロス「風立ちぬ(Ride Like The Wind)」では本人以上の存在感を見せているし、ジェイムス・イングラム「歓喜の調べ(Yah Mo B There)」や、パティ・ラベル「オン・マイ・オウン」でもいい味を出していた。

当時の彼は女性シンガーに「最もデュエットしたい男性シンガー」と言われたそうだが、2001年に過去の共演相手が一堂に会した『ギャザリング・フレンズ(A Gathering Of Friends)』というイベントの映像があるので、是非観て欲しい。


Song Data
■I Keep Forgettin'(Every Time You're Near)/ Michael McDonald
■作詞・作曲:Michael McDonald, Ed Sanford, Jerry Leiber, Mike Stoller
■プロデュース:Ted Templeman, Lenny Waronker
■発売:1982年8月(1982年10月23日4位)

Billboard Charts
■What A Fool Believes / The Doobie Brothers
(79年4月14日 1位)
■Ride Like The Wind / Christopher Cross
(80年4月26日 2位)
■If That's What It Takes / Michael McDonald
(82年10月2日 6位)※アルバム
■Yah Mo B There / James Ingram and Michael McDonald
(84年3月3日 19位)
■On My Own / Patti LaBelle and Michael McDonald
(86年6月14日 1位)



※2016年9月21日に掲載された記事をアップデート

2019.02.12
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ひろ
ドゥービーのライブビデオ幾つかはトムとパットが君臨。勿論ラインナップもスタンピード迄が殆ど。シカゴもドゥービーも後期AORで売れたけれど好きなのは前期です。
2018/02/12 15:01
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返信
カタリベ
1965年生まれ
中川肇
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