僕が初めて「ライブ」というものの魅力を知ったきっかけも実は TOTO だった。ただし、それは「生」ではなく、かつて NHK で不定期に放送されていた『ヤング・ミュージック・ショー』という洋楽アーティスト専門のライブ番組。1982年7月、その年の5月に TOTO が来日した際の、彼らにとっては初の日本武道館公演2日目の模様が放送されたのだ。
以前に書いたかもしれないけれど、小学生でボストンやフォリナー、ビリー・ジョエルといった洋楽を FM で聴き漁り始めた僕も、アルバムを手に入れたのは中学2年になった時にリリースされた『聖なる剣』が初めてだった。寝ても覚めても、来る日も来る日もそのアルバムを聴き続けた―― そして、僕の中で TOTOブームが最大化した頃に彼らのライブがオンエアされることを知る。
こうして、人生初のライブ視聴とビデオ録画は、『ヤング・ミュージック・ショー』で放送された TOTO の日本武道館となった。ライブ番組を観た感想は、喜びよりも驚きの方が大きかったように思う。まず、原盤とぜんぜん音が違う(当たり前だ!)。そして、ルカサーのギターのピッキングと映像が合ってない部分があるではないか!