1月31日

クリストファー・クロスと木田勇の共通点? セカンドアルバム「アナザー・ページ」

35
1
 
 この日何の日? 
クリストファー・クロスのセカンドアルバム「アナザー・ページ」がリリースされた日
この時あなたは
0歳
無料登録/ログインすると、この時あなたが何歳だったかを表示させる機能がお使いいただけます

 
 1983年のコラム 
武田久美子デビュー、セクシー路線だけじゃなくアイドル時代に要注目!

武田久美子と岩井小百合「女の人生」を教えてくれた同学年のアイドル

白夜の貴公子「ハノイ・ロックス」最初で最後の追っかけ大作戦!

西ベルリンからやって来た黒船!ネーナの放つ「ロックバルーンは99」

もしかして復活!? 80年代に追い求めたキャンディーズへの夢

佳山明生「氷雨」のヒットと黄金の6年間、街に流行歌があふれていた時代

もっとみる≫



photo:Warner Music Japan   

突然だが、皆さんは木田勇というプロ野球のピッチャーがいたことを覚えているだろうか?

彼は日本ハムファイターズに入団したルーキーイヤーの1980年に22勝(!)を挙げて、最多勝・最優秀防御率・最高勝率と当時の投手三冠タイトルを独占し、最多奪三振も記録した。そして、史上初めて新人で MVP を受賞したという伝説のピッチャーである。

だが、翌81年は10勝に終わり、その後は目立った活躍ができなかった。多くの人々の記憶に留まり続けることができなかったのは、彼の成績の「尻すぼみ感」によるものだろう。ちなみに90年に現役引退、通算60勝71敗だった。

で、僕がなぜ急に彼の存在を思い出したかと言うと、先日、僕の高校の同級生から「クリストファー・クロスのライブを観にビルボードライブ東京に行ってきた」と聞いたからだ… と言ったら更に謎が深まるかもしれないので、少し説明しよう。

クリストファー・クロスは、81年のグラミー賞において、デビューアルバム『南から来た男(原題:Christopher Cross)』とシングルカットされた「セイリング」で最優秀アルバム(Album of the Year)、最優秀レコード(Record of the Year)、最優秀楽曲(Song of the Year)、最優秀新人(Best New Artist)の主要四部門で、史上初めて同時受賞した。

しかし、83年にリリースされたセカンドアルバム『アナザー・ページ』は全米アルバムチャート(Billboard 200)で最高位11位、続くサードアルバム『ターン・オブ・ザ・ワールド(原題:Every Turn Of The World)』が最高位127位を記録したのを最後に、チャートインすることはなくなった。

このような彼のキャリアの「尻すぼみ感」を見て、当時の僕は、失礼ながら「まるで木田勇みたいだな」と思っていたのだった。でもこれは、裏を返せば、彼らのデビューが「とてつもなく凄かった」ということに他ならない。

78年にソロシンガーとしてワーナーと契約したクリストファー・クロスは、デビューアルバムの制作にあたってプロデューサーにマイケル・オマーティアンを指名した。理由は「スティーリー・ダンのアルバムでキーボードを弾いていたから」だったと言う。

実際、このデビューアルバムのサウンドは、イーグルスやドゥービー・ブラザーズが持つ西海岸テイスト、それにスティーリー・ダンのモダンで都会的なセンスから、まるで「いいとこ取り」したかのようなクオリティの高さだった。それ故、僕は、このアルバムが80年代のベストアルバムだと思っている(実際は79年のリリース)。

特に、第一弾シングルの「風立ちぬ(原題:Ride Like The Wind)」は、「つむじ風が近づき、サッと通り過ぎる瞬間を感じるスリリングなイントロ(どこかで読んだ表現のパクリです。スミマセン)」も、マイケル・マクドナルドのバックボーカルも、とにかく何もかもが完璧だった。

ところがである。その3年後、セカンドアルバムから第一弾シングルとしてリリースされた「オール・ライト」を初めて聴いた時、僕は正直がっかりしてしまった。サウンドが何だか「マス」で「コマーシャル」な感じになってしまっていたからだ。理由は明白だった。

「風立ちぬ」と「オール・ライト」のレコーディングに参加したミュージシャンを並べてみると、「オール・ライト」ではドラムがトミー・テイラーからジェフ・ポーカロに、ベースがアンディ・サモンからマイク・ポーカロに代わり、ギターにはスティーヴ・ルカサーも加わっている。そう、TOTO になってしまったのだ。

スティーリー・ダンにも参加しているジェフ・ポーカロはまだしも、とにかくスティーヴ・ルカサーのギターは、これまでのサウンドをぶち壊すのに十分な威力を持っていた。当時の音楽ファンなら「オール・ライト」を一度でも聴けば、この曲のギターソロをルカサーが弾いているとすぐに見破ったはずだ。

「天使の声」とも評されるハイトーンボイスの陰に隠れがちだが、実はクリストファー・クロスはギターも上手で、「風立ちぬ」では彼自身がソロを弾いている。だから、高いギャラを支払ってまで他人にギターを弾かせることはなかったし、そうすればデビュー作のサウンドを維持できていただろうに… 今でも僕はそう思うのだった。


Song Data
■All Right / Christopher Cross
■作詞・作曲:Christopher Cross
■プロデュース:Michael Omartian
■発売:1983年1月21日



Billboard Chart
Ride Like The Wind / Christopher Cross (1980年4月26日 全米2位)
Sailing / Christopher Cross (1980年8月30日 全米1位)
All Right / Christopher Cross (1983年3月5日 全米12位)



Billboard Chart(Album)
Christopher Cross / Christopher Cross (1980年9月6日 全米6位)
Another Page / Christopher Cross (1983年3月12日 全米11位)
Every Turn Of The World / Christopher Cross (1985年12月14日 全米127位)


2019.06.03
35
  YouTube / Official Christopher Cross


  YouTube / Official Christopher Cross
 

Information
あなた
Re:mindボタンをクリックするとあなたのボイス(コメント)がサイト内でシェアされマイ年表に保存されます。


おすすめのボイス≫
1965年生まれ
中川 肇
「Ride Like the Wind」の生演奏動画を紹介します↓
■Ride Like the Wind - Christopher Cross on The Midnight Special
https://youtu.be/XQLosXj8ro0
■Christopher Cross "Ride Like the Wind" - With Taylor Guitars at NAMM 2008
https://youtu.be/29gOM9F9trY
■Christopher Cross & Ron Burgundy "Ride Like The Wind" December 2013
https://youtu.be/t6RIhltjH88
2019/06/03 14:46
1
返信
カタリベ
1965年生まれ
中川肇
コラムリスト≫
102
1
9
8
1
クリストファー・クロス、グラミー賞の主要4部門を独占した唯一のアーティスト
カタリベ / 宮井 章裕
54
1
9
8
2
もう文句は言わせない!マイケル・マクドナルド初のソロアルバム「思慕」
カタリベ / 中川 肇
20
1
9
8
0
共有感満載の80年代洋楽ヒット!ビルボード最高位2位の妙味 vol.6
カタリベ / KARL南澤
60
1
9
8
2
ロザーナ、ジェフ・ポーカロの “おしゃれ” なハーフタイム・シャッフル
カタリベ / 中川 肇
13
1
9
8
1
ロマンチックな歌詞、澄んだ歌声、クリストファー・クロスにキューーン♡
カタリベ / ユリンベ
24
1
9
8
2
80年代洋楽ヒット代表、TOTO「ロザーナ」の1位を阻んだのは誰?
カタリベ / KARL南澤
Re:minder - リマインダー