マイケル・マクドナルドとケニー・ロギンスは、「ホワット・ア・フール・ビリーヴス」以外にも度々楽曲を共作しており、それぞれのソロ作によく収録されています。
マイケル・マクドナルドの2作目のソロ『ノー・ルッキン・バック』のタイトルトラック(ケニーのヴァージョンもあり)やケニー・ロギンスの「明日に向かって(This Is It)」など、シングルカットされたものもあります。
そんな中でも私のお気に入りがケニー・ロギンスの「ハート・トゥ・ハート」。
まだ「フットルース」や「デンジャー・ゾーン」の大ヒット以前のケニー・ロギンスは元ロギンス&メッシーナの人といったイメージでしたが、この「ハート・トゥ・ハート」収録のアルバム『ハイ・アドヴェンチャー』には発売前からかなりの期待をしてました。
なぜなら、先行シングルのスティーヴ・ペリーとのデュエット「サンライズ・パーティー(Don't Fight It)」がヒットしていたからです。
この曲がラジオでよくかかっていたのは、私がジャーニーのヒットアルバム『エスケイプ』を盤がすり減るほど聴きまくっていた頃で、彼らの次のアルバムを超渇望していたときだったのです。二人のハイトーンヴォーカルがとにかく楽しそうに盛り上がる曲にこちらも盛り上がりまくり、てな具合です。
ということでどっちかというとジャーニー理由で購入した『ハイ・アドヴェンチャー』にはいい意味で期待を裏切られました。
「サンライズ・パーティー」のようなストレートなロックはあまり収録されておらず、どちらかというと大人向きのAOR作品がメイン。しかしながら楽曲自体はしっかりアレンジされたいい作品ばかりなのです。なかでも次にシングルカットされた「ハート・トゥ・ハート」の出来には大満足。
「ノー・ルッキン・バック」がどちらかというとケニー・ロギンスっぽいメロディーが主導なのに対し、この「ハート・トゥ・ハート」はキーボードのリフも曲のメロもマイケル・マクドナルドが前に出てきます。スリリングなイントロからTOTOっぽい曲全体の仕上がりも素晴らしい(スティーヴ・ルカサー、デヴィッド・ペイチが参加してますからね~)。
このアルバムには、プロデュースも兼ねて参加したデイヴィッド・フォスターのほかに、ネイザン・イースト、デイヴィッド・サンボーン、リチャード・ペイジ、ニール・ラーセンなど錚々たるメンツが参加。いい時代ですね。
ということでアルバム『ハイ・アドヴェンチャー』は、ケニー・ロギンスのソロ作のなかではあまり名盤扱いはされてないようですが、私にとって燦然と輝く2曲「サンライズ・パーティー」「ハート・トゥ・ハート」が入った名盤なのでございます。
2017.05.10
YouTube / Adam Brown
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