Re:minder のコラムを書かせてもらうことになって、1980年代の音楽をテーマに何から書こうかと散々悩んだけど、やはりジョン・レノンの死から書くことにした。
1980年12月8日にジョン・レノンは当時住んでいたニューヨークの高級集合住宅ダコタ・ハウスの入口でマーク・チャップマンに射殺される。当時僕は中学3年生、ビートルズを夢中で吸収していた時期で、ポールでなくジョン派だったこともあり、かなりのショックを受けた。
ジョンの死はもちろん悲しいんだけど、これでビートルズが再結成されることが不可能になった、という現実が悲しくて、この年の年末は喪に服して年賀状を書かないという訳のわからん行動に出たりしたのを覚えている。
『ダブル・ファンタジー』は育児に専念していたジョンが、主夫生活に終わりをつげ、射殺される前月にリリースされた5年ぶりのスタジオ録音アルバム。結果的に遺作となったこのアルバム、僕がバイトして自分で買った初めてのLPである。
1曲目の「スターティング・オーヴァー」が大好きで、今でも落ち込んでいる時とか良く聞く曲のひとつだ。イントロの鐘の音がジョンの死を悼む教会の鐘の音のように聞こえるのは僕だけだろうか。
It'll be just like starting over ー
これが僕ら二人の新しいスタートなんだよ
さあ、始めよう!
という曲を残して皮肉にもジョンは逝ってしまうのだけど、僕の中ではジョンは今でも神様になって永遠に生きている。そして僕は、このジョンの死をきっかけに、洋楽に一層のめりこんでいくことになる。
ダブル・ファンタジー
ジョン・レノン / ヨーコ・オノ
1981年、全米で8週連続の1位を獲得(年間2位)。「スターティング・オーヴァー」「ウーマン」「ウォッチング・ザ・ホイールズ」の3作が全米トップ10入りを果たした。
2016.01.26
YouTube / Laidon123
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