60年代終わりから70年代半ばにかけてビルボードのシングルチャートでヒットを連発した米ポップロックバンド、スリー・ドッグ・ナイト最後のトップ10ヒットは「ショウ・マスト・ゴー・オン(The Show Must Go On)」(74年4位)だったが、この曲のオリジナル(作者)演者こそが英シンガーソングライター、レオ・セイヤーだ。
この名前を聞いてピンと来るのはアラフィフよりちょっと上の世代なのかもしれない。間違いなく彼のシンガーとしてのピークは77年。「恋の魔法使い(You Make Me Feel Like Dancing)」、そして「はるかなる想い(When I Need You)」といった2曲の全米ナンバーワンソングを輩出した年で、「恋の魔法使い」は同年グラミー賞のベストR&Bソング(レオは紛いなき白人シンガーなのだが!)までをも受賞していた。日本でも万人が知るとまではいかないものの、そこそこのヒット感はあった2作品であった。
しかし、レオ・セイヤーのレパートリーの中で、日本における共有感満載な1曲はというと、前述の全米1位作品をしのぐほどに、80年代突入以降唯一のトップ10ヒットとなった「星影のバラード(More Than I Can Say)」(80年2位)で間違いないだろう。