B型の曲がある。米米CLUBの「BEE BE BEAT」。
この曲は、4枚目のアルバム『GO FUNK』(1988年9月21日発売)に収録される数年前からLIVEで歌われてきた曲だ。
1986年4月〜9月、TBSラジオ『スーパーギャング』。火曜日のパーソナリティを務めていたのが米米CLUBだった。カールスモーキー石井さん(以下:テッペイちゃん)が中心となって進行するのだが、リスナーに向けて語り掛ける… というよりも、その日参加しているメンバーとの日常的な絡みが “聴こえてくる” ような番組。とても自然体で、彼らの素顔を垣間見ることができる面白い内容だった。
ある日、メンバーからこんなエピソードが語られた。デートの待ち合わせに向かうテッペイちゃん。電車の中で絵の構図がふと浮かび、そのままUターンして帰宅。彼女に連絡せず、一心不乱にキャンパスに向かい絵を描き続けたのだそう。それが一度や二度ではないというから驚きだ。
メンバーからは「それは酷い!」と責められるが、B型であることに自負のあるテッペイちゃんは「絵の構図が浮かんだのだから仕方がない」、「B型なんだから仕方がない」とあっけらかんと話していた。
“B型は誇りである” そんな印象を受けるB型談義は、番組の中でちょくちょく語られていた。
一般的にB型といえば、好きなことを、好きな時に、好きなタイミングで、好きなだけやりたいタイプで、つまりは好きなもの以外には興味がないように見える。
その行動は傍から見ると、マイペース、マニアック、気分屋、行動がユニークなど、決して誉め言葉とは言えない表現で語られることが多い。しかし裏を返せば、正直に生きているだけで、好きなもの、興味があるものしか、意識の中に入ってこないのかもしれない。
そんなB型の気質を歌にしたのがこの「BEE BE BEAT」。テッペイちゃんの想いが強い曲のひとつだ。アルバムに収録される数年前からLIVEで歌われていた。
やれることやれ やなことやれ
偉いやつァ言うけど
やることやだ 死んでもやだ
好きなことだけやる!!
アップテンポのメロディに乗せて、B型の心情を歌いあげている。作詞はもちろんテッペイちゃん。彼がB型であることは、周知の事実であった。
それから1年か… 数カ月が経った頃、テッペイちゃんは病院で血液検査をすることになった。その検査結果に愕然とするテッペイちゃん。
なんと、血液型は「O型」!
目を疑う事実が記載されていたのだった。
もう「BEE BE BEAT」は歌えない… と、かなり凹んでいたが、落ち込む本人をよそに周囲は笑いが止まらない。実際、その後暫くの間LIVEで披露されなかった。B型が大好きで、B型であることを誇りに思っていただけに、相当ショックだったのだろう。しかし、今まで語られていたB型談義は、つまりO型談義だったということになる。
こんな話もある。春から息子が小学校に上がるので、お世話になっている小児科の先生に血液検査をして欲しいとお願いすると、
先生:「輸血が必要な場合はね、必ず血液検査をするのでわざわざ今調べなくて大丈夫ですよ(笑顔)。うちもね調べなかったけど、子どもに聞かれたら “O型だよ” って答えていたんですよね。大人になってから本当は “B型だった” ということが分かったけど、不思議なものでね、O型らしく育ってますよ(笑い)。だからお母さんもね、お母さんが好きな血液型を子どもに伝えてあげてください(満面の笑み)」
… これは!! 先生はB型に間違いない! と思い、「先生、B型ですよね?」と伝えると、「ええっっ!!」とかなり驚きながらも「… はい」とのお返事。B型らしい発想のなんとも面白いエピソード。
血液型の性格診断というのは、当てはまるような、当てはまらないような。つまりは、O型とB型には共有する部分が多いということなのかもしれない。好きなものは好きと素直に行動できるとB型っぽくなるのかな、とも思う。
2018.01.16
BEE BE BEAT / 米米CLUB
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