80年代女性アイドルの代表曲「ハロー・グッバイ」
柏原芳恵のデビューは1980年の6月。彼女の誕生日は1965年の10月だから、わずか14歳でのデビューだ。今では当たり前の感はあるけど、当時としては若いデビューだったのではないか。1980年デビューということは、松田聖子、河合奈保子と同期ということになる。ちなみに、彼女のデビュー時の名前は “柏原よしえ”。1982年10月、12枚目のシングル「花梨」の発売に合わせて「柏原芳恵」の漢字表記に変更している。
「ハロー・グッバイ」は1981年10月15日に発売された柏原よしえの7枚目のシングルで、38万枚を超える売り上げを記録することになる彼女最大のヒット曲。オリコンチャートで初の TOP10 入りを果たし、最高位は6位。彼女のもう一つの代表曲で、初の紅白出場を果たした「春なのに」(1983年1月11日発売)より、売り上げ枚数はこの「ハロー・グッバイ」の方が上だ。僕はこの「ハロー・グッバイ」は名曲だと思っている。ノスタルジックな曲調が好きなのかなぁ~、今聴いても80年代アイドルの代表曲の一つだと思う。実は70年代の曲なんだけどね。
アグネス・チャン、讃岐裕子を経て、柏原よしえがカバー
「♪紅茶のおいしい喫茶店~」で始まる「ハロー・グッバイ」。少し切ない感じのお馴染みメロディーを覚えていて、その歌詞まで口ずさめてしまうRe:minder世代の方は多いんじゃないかな。僕は当時から、この曲がカバー曲であることを認識はしていたけど、原曲が「アグネス・チャン」だということは最近まで知らなかった。皆さんは知っていましたか?
きちんと調べてみると、アグネス・チャンが歌った原曲のタイトルは「ハロー・グッドバイ」。1975年12月10日に発売されたシングル「冬の日の帰り道」のB面の収録曲として発表されている。柏原よしえがカバーする前に、讃岐裕子という歌手が1977年にシングル化していて、その際に「ハロー・グッバイ」と改題され、2番の歌詞が変更されたらしい。つまりリメイクだ。以後のカバーもこれを踏襲しているということだから、柏原よしえの「ハロー・グッバイ」は讃岐裕子のカバー曲と言ってもいいのかもしれない。この曲は柏原よしえ以降、1990年代に入っても二人にカバーされている。不思議だ…。何故この曲はそんなにカバーされるのだろう。
柏原よしえをトップアイドルに押し上げた「ハロー・グッバイ」
まあ、この曲を一番ヒットさせたのは柏原よしえであることは間違いないわけで、この名曲が日の目を見ることができたのは彼女のお陰だ。アグネス・チャンもそう言っているらしい。柏原よしえにしてもこの曲のヒットで、同期の松田聖子や河合奈保子など並ぶトップアイドルに躍り出ることも出来たわけだから、カバー曲の企画が成功した80年代の事例と言っていいのではないでしょうか。
この「ハロー・グッバイ」がヒットを飛ばしていた時期を振り返ってみると、僕の周りには柏原よしえもどきの女の子が沢山いました。いわゆる聖子ちゃんカットの同級生の女の子たち。本人は聖子ちゃんのつもりだったかもしれないけど、そこは田舎の女子高生で、スカートが長い長い。スカートが長いと聖子ちゃんではなく柏原よしえぽかったというのは僕の勝手なイメージで、決して彼女がツッパリの代表だったという訳ではないんだけどね。ごめんね、よしえちゃん。
※2016年10月1日、2019年10月15日に掲載された記事をアップデート
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2021.10.15