10月19日

80年代は洋楽黄金時代【ピアノ曲 TOP5】記憶に残るプレイは誰だ!

41
1
 
 この日何の日? 
ジャーニーのシングル「ドント・ストップ・ビリーヴィン」が米国でリリースされた日
この時あなたは
0歳
無料登録/ログインすると、この時あなたが何歳だったかを表示させる機能がお使いいただけます
▶ アーティスト一覧

 
 1981年のコラム 
うる星やつら、めぞん一刻【80年代アニメソング総選挙】高橋留美子アニメを彩った名曲たち

アニソン大集合!長瀬智也もカバーした【うる星やつら】のテーマ「ラムのラブソング」

柏原よしえ「ハロー・グッバイ」はアグネス・チャンと讃岐裕子のカバー曲

オン・ジ・エッジのハラハラ感、松本伊代「センチメンタル・ジャーニー」

アイドル百花繚乱!花の82年組デビューシングル売上ランキングTOP10

松田聖子「風立ちぬ」懐かしく優しい、秋冬に聴きたいアルバム

もっとみる≫




メロディー・ハーモニー・リズムすべてに貢献 “楽器の王様” ピアノ


昔からピアノは “楽器の王様” と呼ばれている。それには様々な理由が考えらえるが、よく言われるのが、その音域の広さである。何しろ、ピアノ1台でオーケストラの全ての楽器の音域を網羅しているのだ。また、オーケストラ楽器ではないが、エレキギターとエレキベースの音域を足しても、ピアノには遥かに及ばない。

他にも理由はある。よく “メロディー” “ハーモニー” “リズム” を音楽の三大要素と言うが、ピアノはこの全てに貢献している。それがいかに凄いかは、他の楽器と比較すれば明らかだ。例えば、バイオリンもピアノと同様に素晴らしい楽器ではあるが、1台では “ハーモニー” “リズム” にあまり貢献できない。

と言うことで、今回はポップミュージックの中でピアノを前面にフィーチャーしている楽曲、即ち “ピアノ曲” について見ていきたい。

ピアノ曲のタイプ1:弾き語り型


ピアノ曲には、ザクっと分けて3つのタイプがあると思う。おそらく最もイメージしやすいのは “弾き語り型” で、シンガーがピアノを弾きながら歌うタイプだ。ザ・ビートルズ「レット・イット・ビー」、エルトン・ジョン「僕の歌は君の歌(Your Song)」、ビリー・ジョエル「ピアノ・マン」が該当する。広く捉えれば、クイーン「ボヘミアン・ラプソディ」もここに入れていいだろう。比較的最近の曲だと、アリシア・キーズ「フォーリン」、ヴァネッサ・カールトン「サウザンド・マイルズ」、コールドプレイ「クロックス」あたりが思いつく。

ピアノ曲のタイプ2:バンド型


次は、1つのバンドの中で歌とピアノを別の人が担当する “バンド型” だ。これには、フォリナー「つめたいお前(Cold As Ice)」やTOTO「ホールド・ザ・ライン」が該当する。シカゴの「サタデイ・イン・ザ・パーク」は、この曲を書いたロバート・ラムがピアノを弾きながら歌っているが、ピーター・セテラも歌に参加しているので “弾き語り型” と “バンド型” の中間と言えるだろう。

ピアノ曲のタイプ3:セッションミュージシャン登用型


最後の1つは “セッションミュージシャン登用型” だ。その名の通りピアニストを外から連れてくるタイプで、最も有名なのはサイモン&ガーファンクルの「明日に架ける橋(Bridge Over Troubled Water)」だと思う。

この曲のオリジナル盤でピアノを弾いているのはラリー・ネクテルで、その演奏は本当に素晴らしい。だが、僕は『セントラルパーク・コンサート(The Concert In Central Park)』のリチャード・ティーのプレイも好きだ。これなんかは前者がクラシック寄り、後者がジャズ寄りの演奏だと言えそうだが、同じ楽曲を異なるアプローチによって自在に色合いを変えられるのもピアノの魅力のひとつだと思う。

そして、このタイプに該当する曲と言えば、アデルの「サムワン・ライク・ユー」も挙げないわけにはいかないだろう。で、面白いことに、アデルとサイモン&ガーファンクルを続けて聴いてみると、全く違和感がないのに驚かされる。どちらのサウンドも新しすぎないし、古すぎないのだ。こうした、時を経ても変わらない「揺るぎなさ」もピアノの王様たる所以である。

発表! 80年代洋楽のピアノ曲 TOP5+1


さて、今回も80年代にリリースされた楽曲の中から勝手にピアノ曲TOP5を決めようと思う。ただ、その頃から電気ピアノ(エレピ)の普及に伴って、アコースティックピアノ(生ピアノ)を使った楽曲が減ってきたので、広義に解釈して、打弦式のエレピなども含めた「生ピアノ的に使っている鍵盤楽器」を対象としたいと思う。なお、5曲に絞れなかったので、次点を入れた計6曲を紹介したい。

【次点】オーヴァージョイド / スティーヴィー・ワンダー


アルバム『イン・スクエア・サークル』に収録。スティーヴィー本人が弾くピアノのサウンドの上に「環境パーカッション」と呼ばれる、コオロギの鳴き声や鳥のさえずり、水の中に小石を落とした音、木の葉の音、等々が乗っているのが特長。彼の数あるヒット曲の中では決してメジャーな作品ではないが、なぜか日本ではとても人気で、何度もTVのCMに使われている。

【第5位】リスン・トゥ・ユア・ハート / ロクセット


アルバム『LOOK SHARP!』に収録。スウェーデン出身の男女2人組だが、ピアノはプロデューサーのクラレンス・エフベルマンが弾いている。この曲のミュージックビデオは、バルト海に浮かぶエーランド島のボリホルム城跡で撮影されたが、裸足で歌うマリー・フレデリクソンの姿がとても印象的だった。そんな彼女も、残念ながら2019年12月に61歳で亡くなった。

【第4位】見つめて欲しい(Against All Odds) / フィル・コリンズ


映画『カリブの熱い夜(Against All Odds)』のオリジナル・サウンドトラックに収録。ピアノを弾くのはロブ・マウンジー。フィル・コリンズ初の全米No.1ヒットだが、正直この手の甘ったるい曲を僕は好きではない。だが、1985年のライヴエイドのステージで見せた本人によるピアノの弾き語りは例外で、少々たどたどしい演奏ではあったが、むしろそれが良かった。ジョン・レノン「イマジン」にも似た、子供のような純粋さ(?)が醸し出されたのであった。

【第3位】ザ・ウィナー(The Winner Takes It All) / ABBA


アルバム『スーパー・トゥルーパー』に収録。ピアノを弾いているのは、もちろんベニー・アンダーソン。8曲目の全英1位となったこの曲は、ABBAの後期を代表する名バラードだが、1980年のビヨルン・ウルヴァースとアグネタ・フォルツコグの離婚をモチーフにしたと言われている。もう1組のカップル、ベニーとフリーダ・リングスタッドも問題を抱える中、この曲の歌詞はとても生々しく人間関係の崩壊を描いていて、ちょっと怖い。

【第2位】ザ・ウェイ・イット・イズ / ブルース・ホーンズビー&ザ・レインジ


アルバム『ザ・ウェイ・イット・イズ』に収録。シンガー兼ソングライター兼ピアニストであるブルース・ホーンズビーが長い下積みの末に生み出したヒット曲だが、多くの人にとっては「聴いたことはあるが何の曲か知らない」か「ブルース・ホーンズビーはこの曲しか知らない」のどちらかだろう。だが、この曲が全米1位に輝いた3ヵ月後には、ヒューイ・ルイス・アンド・ザ・ニュース「ジェイコブズ・ラダー」でソングライターとして再度1位の栄誉を受けた。

【第1位】ドント・ストップ・ビリーヴィン / ジャーニー


バンド最大のヒットアルバム『エスケイプ』に収録。この作品から加入したジョナサン・ケインがピアノを弾いており、彼のピアノが前面にフィーチャーされた「クライング・ナウ(Who's Crying Now)」「オープン・アームズ~翼をひろげて」とこの曲の3曲が全米トップ10ヒットとなった。このサウンドは当時「産業ロック(米国ではDinosaur Rock)」と揶揄されたが、結果的にジャーニーをスタジアム級バンドに押し上げることになった。


Billboard Chart & Official Chart
■ The Winner Takes It All / ABBA(1980年8月9日 全英1位、1981年3月14日 全米8位)
■ Don't Stop Believin' / Journey(1981年12月19日 全米9位、2010年1月16日 全英6位)
■ Against All Odds(Take A Look At Me Now) / Phil Collins(1984年4月21日 全米2位、4月28日 全英2位)
■ Overjoyed / Stevie Wonder(1986年4月5日 全英17位、4月12日 全米24位)
■ The Way It Is / Bruce Hornsby & The Range(1986年9月6日 全英15位、12月13日 全米1位)
■ Listen To Your Heart / Roxette(1989年10月28日 全英62位、11月4日 全米1位)

Billboard Chart&Official Charts(Album)
■ Super Trouper / ABBA(1980年11月22日 全英1位、81年2月28日 全米17位)
■ Escape / Journey(1981年9月12日 全米1位、1982年9月4日 全英32位)
■ Against All Odds / Soundtrack(1984年4月28日 全米12位)
■ In Square Circle / Stevie Wonder(1985年9月28日 全英5位、11月23日 全米5位)
■ The Way It Is / Bruce Hornsby & The Range(1986年9月20日 全英16位、10月25日 全米3位)
■ Look Sharp! / Roxette(1990年2月24日 全米23位、9月15日 全英4位)



2021.03.03
41
  YouTube / journey


  YouTube / Bruce Hornsby


  YouTube / ABBA
 

Information
あなた
Re:mindボタンをクリックするとあなたのボイス(コメント)がサイト内でシェアされマイ年表に保存されます。
カタリベ
1965年生まれ
中川肇
コラムリスト≫
87
1
9
8
4
UKオールスターズ「バンド・エイド」で締めくくられた1984年のクリスマス
カタリベ / 中川 肇
57
1
9
8
3
ジャーニーのアーネル・ピネダ、フィリピンからのアメリカンドリーム!
カタリベ / 中川 肇
10
1
9
8
7
大映ドラマの主題歌にこの洋楽を使いたい、胸アツ!ランキング Part2
カタリベ / DR.ENO
29
1
9
8
2
ジャーニーが屈辱を晴らした夜、初の武道館ライブ終了後に大パーティ!
カタリベ / 喜久野 俊和
105
1
9
8
1
80年代は洋楽黄金時代!椎名林檎 “丸サ進行” のルーツは「クリスタルの恋人たち」
カタリベ / 中川 肇
93
1
9
8
4
アホアホビデオNo.1 ビリー・スクワイアの「ロック・ミー・トゥナイト」
カタリベ / 中川 肇