10月21日

オン・ジ・エッジのハラハラ感、松本伊代「センチメンタル・ジャーニー」

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松本伊代のデビューシングル「センチメンタル・ジャーニー」がリリースされた日
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80’s Idols Remind Me Of… vol.4
センチメンタル・ジャーニー / 松本伊代


松本伊代のデビューは1981年。

松田聖子、河合奈保子、柏原よしえがデビューした80年組と、中森明菜、小泉今日子、堀ちえみらがデビューした、いわゆる “花の82年組” の、ちょうど狭間での登場となっていたわけだ。

松田聖子を中心とする80年組に、追いつけ追い越せとばかりに万端のデビューを飾った松本伊代だが、その後の後発組たる82年組の思わぬ追随は予想外だったのかもしれない。

82年中盤から83年にかけては試行錯誤が繰り返されていたのだが、基本的にはアイドルとしての素材が頭ひとつ抜きんでていた松本伊代だったので、80年代前半においては常にアイドル戦線のトップ集団に位置していたと言っていいのではないだろうか。

松本伊代のデビューは鮮烈だった―― 用意された楽曲は「センチメンタル・ジャーニー」、作曲:筒美京平、作詞:湯川れい子、盤石の態勢で臨んだ作品だ。

松田聖子「青い珊瑚礁」以降、顕著になった80年代アイドル戦線における(ニューミュージック・テイストの)シティポップ化に、さらに洋楽アプローチの加味を実践してきたのが松本伊代であった。

洋楽オピニオンリーダーたる湯川れい子の起用、ドリス・デイを筆頭に多くの海外シンガーが歌った有名スタンダードナンバーをそのままタイトルに冠した… 内容というよりは外枠的な洋楽アプローチの加味ではあったものの、アイドル戦線シティポップ化の波の中においては、しっかりと一線を画す役割を果たしていたように思える。松本伊代自身の洋楽的素質云々に関しては、もちろんここでは不問にするしかない。

「センチメンタル・ジャーニー」この盤石態勢の作品に、松本伊代は120%のアイドル歌唱を以て、期待に十二分に応えた。このナチュラル・ボーンなアイドル歌唱の資質は、松本伊代の素質が類まれなるものであることの証左でもある。

オン・ジ・エッジなハラハラ感を演出する言葉たち――「私のページが めくれるたびに」「つぼみのままで」「謎の湖 のぞき見たくなる」「背中をそっと押されたい」… こんなこと16歳の伊代ちゃんに言われたら、「見ないふりして」一生見てあげる! って、心の中で叫ぶしかないでしょ。

そして15歳でも17歳でも18歳でもなく、16歳。危ういエッジ感を醸し出す… これはもう(結果論かもしれないが)絶妙! としか言いようがない。リリース時点で松本伊代が16歳だったという巡りあわせ、「センチメンタル・ジャーニー」は最初っから名曲だったのだ。

当曲はオリコンのウィークリー・シングルランキング6位、自己最大のセールスを記録した。この路線は次作「ラブ・ミー・テンダー」(82年)まで継承される。



歌詞引用:
センチメンタル・ジャーニー / 松本伊代


2018.08.09
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カタリベ
1962年生まれ
KARL南澤
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