1981年4月、僕が高校生になったその春にリリースされたシングル、それが松田聖子の「夏の扉」でした。そんなタイミングも相まってか、この曲は僕の心の「キラキラベストテン第1位」を30年以上守り続けています。
シングル盤のジャケットこそ落ち着いた雰囲気ですが、このサウンドのキラキラ感は半端じゃありません。2005年に平井堅が名曲「POP STAR」を作ったとき参考にしたという逸話も十分頷けます。
これ、もちろん松田聖子本人の魅力が第一であるとは言え、アレンジを担当した大村雅朗の手腕に並々ならぬものを感じます。前年に手掛けた「青い珊瑚礁」そして「チェリーブラッサム」を経て、この「夏の扉」でひとつの完成形を示してくれました。
そう、松田聖子という優れた素材のギアを上げ、セカンドに加速させたのは、間違いなく大村雅朗の編曲だと思うのです。80年代を予感させる新しいサウンドは78年頃から出始めていましたが、そんな動きを敏感にキャッチし、メインストリームに持ち込んだのが当時20代後半の大村だったことは想像に難くありません。
そうやって時代の波に乗った松田聖子プロジェクトは、次のシングル「白いパラソル」から松本隆を招き入れ、84年までの4年間(19歳から22歳)にわたって彼女の最盛期を築き上げていくことになるんですねえ!
夏の扉 / 松田聖子
作詞:三浦徳子
作曲:財津和夫
編曲:大村雅朗
発売:1981年(昭和56年)4月21日
2016.01.10
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