9月30日
七夕の夜に思い出す、シンプリー・レッドの「スターズ」と屋敷豪太
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photo:FANART.TV  

公言したことはないが、僕には1990年代から応援している日本人アスリートが2人いる。野茂英雄と中田英寿だ。

理由は2つ。1つめは、彼らの名前のイニシャルが僕と同じ「HN」だという “しょーもない” 理由なので置いておくとして、もう1つは、彼らがそれぞれの競技で本場に進出したパイオニアであるという極めて “フツー” の理由だ。

もちろん、厳密に言えば、野球では村上雅則、サッカーでは奥寺康彦や三浦知良といった先人が存在するが、その後のムーブメントを作り、僕たちの世代がその瞬間をリアルタイムで目撃したという点で、野茂と中田の2人がパイオニアであると言っても差し支えないだろう。

では、ポップミュージックの世界で、野茂や中田に相当する人物がいるとしたら誰か。それは、屋敷豪太をおいて他にはいないと思う。

僕が彼の存在を初めてちゃんと認識したのは91年のことだ。その年、彼はシンプリー・レッドの正式メンバーとしてアルバム『スターズ』のレコーディングと2年間にわたるワールドツアーに参加した。

これがどれだけ凄いことか。『スターズ』は全英年間アルバムチャートで91年と92年に1位になった。なんと2年連続だ。

もちろんレッド・ツェッペリン、ザ・ローリング・ストーンズ、ピンク・フロイド、そしてザ・ビートルズですらも成しえなかったことである。屋敷豪太自身も「多分1家族に1枚あるくらいですよ。」と言っているほどだ。

また、ツアー中に誕生日を迎えた彼のことを、ウェンブリー・アリーナか何処かの1万人の観客が「Happy birthday~」と歌って祝福した… というエピソードも残されている。

僕の知る限り、このような偉業を成し遂げた日本人ミュージシャンは、フリーやフェイセズのメンバーだった山内テツを除いて、それまで1人もいなかったのではないかと思う。

僕は、彼がシンプリー・レッドを脱退した後にソロとして行ったライブに行ったことがあるが、正直なところ、彼の純粋なドラマーとしての技術はそんなに大したことなさそうだった。だが、彼にはアナログ、デジタルを問わず楽曲に適したサウンドを生み出すセンスがあって、そこがミック・ハックネル(シンプリー・レッドのリーダー)に評価されたのだろう。

いつからかは忘れてしまったが、僕は毎年、七夕の夜に「スターズ」を聴くのが習慣になった。こんな極めて東洋的な行事の日に、英国マンチェスター出身のバンドを聴きたくなるのは、もしかしたら日本人ドラマーが叩いているからかもしれない。今年は皆さんにもお勧めしたい。


Simply Red / Stars
作詞・作曲:Mick Hucknall
プロデュース:Stewart Levine
発売日:1991年11月18日

2017.07.06
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  YouTube / Simply Red 


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