7月25日

平成 J-POP 幕開けイントロ、四六時中ずっと聴きたいサザン「真夏の果実」

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80年代ヒット曲 “イントロ秒数徹底調査” 1990年のシングルTOP100篇

1990年 シングルTOP100のイントロ秒数は?


リマインダーで取り上げている1978年~1991年までの14年分を、1年ごとに年間シングルランキングTOP100のイントロ秒数を調査し、その結果を紹介していく連載企画。第1回となる前回、『80年代で一番売れた曲「ダンシング・オールナイト」7秒のイントロでハートを鷲掴み!』では、1980年を掲載し、色々な反応をいただきました。

「年を重ねるごとに、イントロ平均秒数も長くなるんじゃないですか?」という反応がとても多かったのですが(正直、私もそう思っていたのですが)早くもその反応を覆す調査結果が出ました。今回もよかったら楽しんでください。2回目の調査年は “1990年” です。その年間ランキングTOP10のラインナップと調査結果がこちら。

1位 おどるポンポコリン / B.B.クィーンズ(13秒)
2位 浪漫飛行 / 米米CLUB(15秒)
3位 今すぐKiss Me / LINDBERG(13秒)
4位 さよなら人類 / たま(6秒)
5位 OH YEAH! / プリンセス・プリンセス(20秒)
6位 Dear Friend / 中森明菜(16秒)
7位 情熱の薔薇 / THE BLUE HEARTS(18秒)
8位 くちびるから媚薬 / 工藤静香(20秒)
8位 真夏の果実 / サザンオールスターズ(18秒)
10位 イフ・ウイ・ホールド・オン・トゥゲザー / ダイアナ・ロス(14秒)
※(カッコ)の数字はイントロの秒数

調査方法は、年間シングルランキングTOP100にランクインした曲のイントロ秒数を、0秒、1~2秒、3~10秒、11~20秒、21~30秒、31~40秒、40秒以上… の7つの長さに分けて集計していきます。1990年の結果をグラフにすると、こうなります!



21~30秒と31~40秒が22%、40秒以上が5%と、長さが20秒以上あるイントロの曲が49%と全体の約半分を占めました。

平均秒数は22.3秒。前回、調査した1980年と比べると、なんと3.4秒長いという結果でした。時代を遡れば溯るほど、平均秒数が長くなるのではないか。と予想していたのですが、調査2回目でその予想は外れました。面白くなってきましたね。

年間ランキング1位の「おどるポンポコリン」(B.B.クィーンズ)のイントロ秒数は、この年の平均秒数より9秒短い13秒。この曲は、人気テレビアニメ「ちびまる子ちゃん」のエンディディングテーマに起用された曲。テレビアニメのタイアップ曲は、オープニング、エンディングが流れる「89秒」という限られた時間の中で、印象に残る楽曲を作らなければいけないので、イントロが長い曲を制作しづらい傾向にあると思います。

「おどるポンポコリン」のイントロ秒数が短いのは上記の理由と推測できるのですが、年間TOP10にランクインした曲すべてが、平均秒数22.3秒よりも「短い」という結果だったのは驚きました。

イントロが長かった曲をみると、
42位 TIME TO COUNT DOWN / TM NETWORK(55秒)
41位 プレゼント / ジッタリンジン(56秒)
67位 紅 / X(44秒)
…など、バンド、ユニット系の曲が多い傾向があります。

あくまでも仮説ですが、前年の1989年に『ザ・ベストテン』の放送が終了したことで、テレビの生放送で披露することを想定しなくなり、メンバーが編曲を担当し、イントロからユニット・バンドの世界観を表現する曲に人気が集まっていったのではないでしょうか。
この仮説は、今後の1年ごとの調査で立体化していきます。

平成J-POPの幕開け、「真夏の果実」18秒のイントロを作った小林武史


年間9位のサザンオールスターズ「真夏の果実」は1990年を代表する、素晴らしいイントロ曲です。タイトルに「真夏」と入っていますが、はじめの一音で、歌詞に登場する「マイナス100度の太陽」のような涼やかなる情熱を感じ、曲の世界観に一気に引き込まれます。

このイントロを作ったのは、小林武史。90年代中盤に、Mr.Children、MY LITTLE LOVERをプロデュースし、リリースする曲が次々にヒット。ヒットした曲すべてが、イントロから印象的な曲が多いため “イントロ大王” の異名をとった人物です。

「真夏の果実」のイントロは、平成J-POPを牽引していく小林武史が作ったという事実だけでなく、椎名林檎や平井堅、いきものがかりなど、2000年代以降、多くのJ-POPのヒットアーティストの編曲やプロデュースを手掛けていく亀田誠治にも大きな影響を与えています。元々サザンオールスターズのファンだった亀田は、「真夏の果実」を聴いたときのエピソードを、こう語っています。

「真夏の果実」を聴いた時に、もうイントロ2秒で、2小節で号泣してしまったんですね。キンコンカーンというグロッケンの音しかないのに、そのメロディだけで泣けてしまった。「これは今まで僕が聴いてきたサザンと違う!!」と思って、CDシングルを買った。すると、そこで “小林武史” という名前を発見したのです。"Produced by 桑田佳祐、小林武史"。つまりプロデューサーという人が入ることで「こんなに音が変わるのか……」と初めて気が付いたのです。


「忘れられないHeart&Soul」と歌う名バラードは、平成のはじまりに誕生することが必然だったのかもしれません。




2021.01.07
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カタリベ
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