共有感満載の80年代洋楽ヒット!ビルボード最高位2位の妙味 vol.18 Waiting For A Girl Like You / Foreigner ヒットチャートの記録を紐解く際には、どうしてもナンバーワンヒットに関連付けて紹介される場合が多い。いわく「全米チャート10週連続1位!」とか、「全米初登場1位!」とか、「全米1位、20曲を達成!」とか… 1位というのは2位とか3位よりは単純明快だし、一般的には1位!となると訴求力や説得力が大いに違うのは明白だ。1位と2位って、たったワンランクの違いなのに、実は雲泥の差なのだ。 長いヒットチャートの歴史の中で、歴代最高位2位の曲で最も長く2位に居続けた作品が、実は80年代に生まれている。それは80年代16番目に誕生したナンバー2ソング、フォリナーの「ガール・ライク・ユー(Waiting For A Girl Like You)」である(ミッシー・エリオットの「ワーク・イット」もタイ記録。02年に10週2位)。 英米混合のいわばスーパーグループとして77年にデビューしたフォリナーは、70~80年代を通してコンスタントに多くのヒットソングを残している。「ガール・ライク・ユー」は4枚目のアルバム『4』から生まれたヒットで、後年、彼ら唯一のナンバーワンソングとなった「アイ・ウォナ・ノウ」と並ぶ、グループの代表曲といえよう。 それにしても10週もの長きにわたって2位にとどまっていたなんて、「ガール・ライク・ユー」が史上最も悲劇的なナンバー2ソングと呼ばれている由縁だが… 80年代最大のメガヒットであるオリヴィア・ニュートン=ジョン「フィジカル」にトップ到達を阻まれていたのだから、それは致し方なかったとしか言いようがない。「フィジカル」が1位に到達した翌週(1981年11月28日付)に「ガール・ライク・ユー」は2位に登りつめ、やがてオリヴィアを抜いてフォリナー初の全米ナンバーワンが誕生すると思われた。だがしかし「フィジカル」は予想外に強かった。 あれよあれよと週を重ねて気づいてみたら10週連続の1位を達成、その時点でフォリナーも9週連続2位に居続けており、ようやく「フィジカル」がトップから陥落した時には、勢いのあったダリル・ホール&ジョン・オーツ「アイ・キャント・ゴー・フォー・ザット」に抜かれ結局2位に留まり、結果前代未聞の “10週連続ナンバー2ソング” が誕生したわけだ。 逆に言えば「フィジカル」にピタリと並走していた「ガール・ライク・ユー」は実に粘り強い大ヒットソングであり、チャートに “たられば” はありえないながらも、リリースが数週ズレていたらダントツのメガ・ナンバーワン・ヒットになっていたに違いない。でも「ガール・ライク・ユー」が80年代屈指の印象的ヒットソングとして人々の記憶に刻まれているのは、単なるナンバーワンではなく、悲劇のナンバー2ソングだったからこそであり、ヒット曲同士の巡りあわせの妙味みたいなものを痛感させられる。 「ガール・ライク・ユー」の雪辱を晴らすかのように、フォリナーは約3年後の85年2月「アイ・ウォナ・ノウ(I Wanna Know What Love Is)」が全米シングルチャートを制覇した。 ■Olivia Newton-John 「Physical」(81年11月~82年1月 10週連続1位) ■Daryl Hall John Oates 「I Can't Go For That(No Can Do)」(82年1月 1位) ■Foreigner 「Waiting For A Girl Like You」(81年11月~82年1月 10週2位)
2017.03.10
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