3月27日

ディーヴァを巡る熾烈な闘いに埋もれたグラミー歌手、ジョディ・ワトリー

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photo:JiggyJamz  

ビルボードのウェブサイトの中に「Billboard Greatest of All Time」というコーナーがある。ここで様々な歴代ランキングが紹介されているのだが、その中で「Greatest of All Time Hot 100 Artists」、つまりビルボードのシングルチャートにおいてどのアーティストが史上最も偉大なのか、順位が付けられているページを見つけた。もちろん1位がザ・ビートルズだというのは誰にでも想像がつくが、トップ10の中に4人の女性シンガーが入っていたのが僕の目を引いた。

具体名を挙げると、2位:マドンナ(1958年生まれ)、5位:マライア・キャリー(1970年生まれ)、7位:ジャネット・ジャクソン(1966年生まれ)、9位:ホイットニー・ヒューストン(1963年生まれ)の4人なのだが、実は全員がRe:minder世代で、80年代にデビューしている(マライアのみ90年)。つまり、僕たちの時代こそが、偉大な女性アーティストを史上最も多く輩出したという訳だ。

裏を返すと、この時代(特に80年代後半から90年代初め)のヒットチャートにおいて、熾烈な女の闘いが繰り広げられたということでもある。事実、前出の4人以外にも数多くの女性シンガーがヒットを飛ばしている。皆さんは忘れているかもしれないが、アニタ・ベイカー、ポーラ・アブドゥル、ヴァネッサ・ウィリアムス、キャリン・ホワイト… といった名前を聞いたことはあるだろう。彼女達は、この時代でなければ天下を取っていたかもしれないのだ。

そんな中で、僕が今でも思い出すのがジョディ・ワトリーだ。彼女には元ソウル・トレインのダンサー、元シャラマーのメンバー、元ファッションモデルといった肩書もあるが、ソロシンガーとしても活躍していて、88年のグラミー賞で「Best New Artist」を獲得している。ちなみにその時にノミネートされていたのが、ブレックファスト・クラブ、カッティング・クルー、テレンス・トレント・ダービー、スウィング・アウト・シスターだったことを考えると、彼女の評価がそれなりに高かったことが伺える。

彼女は87年のデビューアルバムからいきなり3曲のトップ10ヒットを出したが、僕のオススメは次作『Larger Than Life』で、特に3曲目の「Everything」は相当いい曲だと思う。ところで、全く話が逸れてしまうのだが、このアルバムのオープニングナンバー「Real Love」を聴いてみて欲しい。この曲が、SPEED(もちろん沖縄出身の少女4人組のこと)のデビュー曲「Body & Soul」の元ネタではないかと僕はずっと思っているのだが、どうだろうか? CHICの「Le Freak(おしゃれフリーク)」という説もあるが…


Real Love / Jody Watley
作詞・作曲:André Cymone・Jody Watley
プロデュース:André Cymone
発売:1989年(平成元年)3月18日


脚注:
■ Jody Watley
「Real Love」(1989年5月20日2位)
「Everything」(1990年1月20日4位)

■ CHIC
「Le Freak(おしゃれフリーク)」(1978年12月9日1位)

2016.08.24
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  YouTube / JodyWatleyVEVO


  YouTube / JodyWatleyVEVO


  YouTube / SPEED Japan
 

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カタリベ
1965年生まれ
中川肇
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