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僅か2年3ヶ月と19日 ー ランディ・ローズがいた80年代

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オジー・オズボーンのアルバム「ダイアリー・オブ・ア・マッドマン」が全英でリリースされた日
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photo:SonyMusic  

ここ数年、ヘヴィメタル / ハードロック(HM/HR)シーンでは、多くのアーティストが立て続けに惜しまれながらこの世を去った。そうした機会が急増するにつれて、それぞれの命日まで記憶するのが大変になってしまった。

しかし、「3月19日」だけは特別だ。数多くの HM/HR ファンが「ランディ・ローズの命日」として、しっかり記憶しているのではないだろうか。

僕がロックを聴き始めて以来、アーティストの死として初めて記憶しているのが、レッド・ツェッペリンのジョン・ボーナムだ。新聞の片隅に載った記事を見て、子供心に屈強なアーティスト達も不死身ではないことを悟った。そして、ランディ・ローズの死により、僕は大好きなアーティストとの突然の別れを、初めて経験することになった。

ランディを世に広く知らしめたオジー・オズボーン初のソロ作『ブリザード・オブ・オズ~血塗られた英雄伝説』を初めて聴いたのは、NHK-FM の番組だったと思う。リリースタイミングで組まれた特集でオンエアされた数曲を聴いて、オジーの特異なヴォーカルよりもむしろ、ランディのギターに衝撃を受ける。それは当時使っていたオンボロのラジカセからでも、明確に突き抜けてくるギタートーンで、初めてエディ・ヴァン・ヘイレンを聴いた時の感覚に近かった。

「ミスター・クロウリー<死の番人>」のソロに代表されるもの哀しさを湛えた美旋律は、どこかマイケル・シェンカーを想起させた。ランディの初印象は、自分が大好きな2人のギタリストのいいとこ取りだったのだ。しかし、当時の情報源だったミュージックライフ誌のアルバムレビューは決して良くなく、ランディのプレイも粗削りで未完成だったので、のちに名盤として語られるとは想像もつかなかった。

それでもこのアルバムをきっかけに多くの HM/HR ファン同様、僕もランディ・ローズに夢中になり、聴くだけでなくギターフレーズのコピーにも励むことになった。

そして、間髪を入れずに翌年発売されたオジーのソロ第2弾『ダイアリー・オブ・ア・マッドマン』でさらに驚かされる。アルバム自体のクオリティの高さもさることながら、ランディのギタープレイが短期間で格段に向上していたのだ。よりクラシカルな旋律をミックスした独自のスタイルは早くも完成に近づいているように感じた。

そんなランディの突然の死を知ったのは、確かこれも NHK-FM の音楽番組を通じてだったと思う。その第一報を聴いても信じられないというか実感がわかず、それから暫く経過して音楽雑誌の記事を読んで、それが現実であることを受け止めた。その後、オジーの次作を聴いた時にも、ジェイク・E・リーには申し訳ないが、ランディを失った事の大きさを改めて感じることになる。ランディが1982年にこの世を去って随分長い歳月が経過したが、今もなお彼は多くの HM/HR ファンの心を惹きつけてやまない。

それは、25歳というあまりにも短すぎた生涯、突然の飛行機事故という悲劇、クラシカルな要素を HM/HR のジャンルに取り入れた革新的なギタープレイ、天使のような金髪の愛らしいルックスと物静かな佇まい、残された映像や音源の少なさなど、様々な要因が重なった稀有なギタリストだからであろう。僕たちは永遠の「ランディロス」の中にいる。

オジーとの最後のツアー中には、バンドを脱退して音楽学校でクラシックギターを勉強し直したいと周囲に打ち明けていたというだけに、ランディが生きていても、ロックギタリストとして今も活躍していたかはわからない。それでも、もし80年代の HM/HR ムーブメントの中で活動を続けたならば、史上に残る素晴らしい作品を数多く残してくれたに違いない。

今年の命日も、ランディのベストプレイのひとつだと思う「S.A.T.O」~「ダイアリー・オブ・ア・マッドマン」のメドレーを聴いて、彼の残した偉大な軌跡に改めて浸りたい。


※2018年3月19日に掲載された記事をアップデート

2019.03.19
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