音楽とファッションは切っても切れない関係であると言えますが、そんな音楽ジャンルの中でも際立ってるのがハードロック/ヘヴィメタル(以下HR/HM)の世界。メロイックサイン(人差し指と小指をたてるあの象徴的なポーズ)や鉄鋲、皮ジャン、長髪、ヘッドバンギングなどなどまさに様式美の世界です。
そんな様式美がある意味掟のようなHR/HM界においてNO!を突きつけた男がいました。リッチ-・ブラックモア率いるレインボーの2代目ヴォーカリスト、グラハム・ボネットです。リッチ-に抜擢されたグラハムは元々は歌唱はダイナミックながらもハードロックとは無縁な楽曲を歌っていたので、スーツにオールバックといういでたちでした。
当然リッチ-やマネージメントからファッションを求められたのですが答えはNO!「自分に求められたのは声だ。」と自らのファッションポリシーは変えませんでした。そういったことだけが理由ではなかったのでしょうが、わずか1枚のアルバムでレインボーを脱退。ソロ活動を再スタートさせます。
そんなレインボー加入前から久々となったソロアルバムからのファーストカットが「孤独のナイト・ゲームス(Night Games)」です。UKではまずまずのヒットでしたが、レインボーでの人気が功を奏してか日本ではけっこうヒットした記憶があります。そしてあの西城秀樹もシングルでカヴァーするなど話題にもなりました。
菅原文太や横山やすしを髣髴とさせる「短髪」「グラサン」「スーツ」のグラハムのシャウトと、歌謡的ともいえるドラマティックなメロディーの楽曲が、我が道を行く男の哀愁みたいなものを醸し出します。熱唱する彼の姿は、もう感動の域!
グラハムはその後、マイケル・シェンカー・グループに加入後、自らのグループ、アルカトラズを結成するなどHR/HM界で活躍し続けますが、そのスタイルは今でも変えていません。迫力あるヴォーカルは勿論素晴らしいのですが、その男気にはさらに魅かれるものがあります。HR/HM界の「男気大賞」は是非グラハムに!
2016.04.07
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