12月1日

【死ぬほど暑い夏に聴くジャパニーズ・フュージョン5選】シティポップの次はこれだ!

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今回は、【死ぬほど暑い夏に聴くジャパニーズ・フュージョン】を紹介する企画。ここで選んだ5曲はいま聴いても古さを全く感じさせないので、この記事をきっかけにぜひ聴いてみて欲しい。猛暑なんてぶっ飛ばせ!ということで、早速いってみよう!

南国のイメージを一聴しただけで想像させてくれる高中正義


BLUE LAGOON / 高中正義
(アルバム『JOLLY JIVE』1979年)

高中正義は、1972年にデビューしたサディスティック・ミカ・バンドで注目を集め始めたギタリスト。フュージョンという音楽ジャンルに興味がなくても、彼の存在を知っている方は多いだろう。今回取り上げた「BLUE LAGOON」は、パイオニア・ステレオのCMソングに採用され、翌1980年5月にはアルバムからシングルカットされて爆発的な人気を博した高中正義の代表曲だ。

そのトロピカルなサウンドはロックとラテンの融合であり、一聴しただけで、“青い空、白い雲、そして水平線まで続くエメラルドグリーンの海” という南国のイメージをさせてくれる。高中正義は、まさに常夏を連れてくるギタリスト!ということで、まずは「BLUE LAGOON」をお勧めする。



軽快で耳心地の良いサウンドを生み出したカシオペア


Black Joke / カシオペア
(アルバム『CASIOPEA』1979年)

フュージョンを日本で広めたのは間違いなくカシオペアである。1970年代、ジャズとロックの融合はクロスオーバーと呼ばれていて、マイルス・デイヴィスを始め多くのジャズメンによるインプロヴィゼーション(即興演奏)を重視した敷居の高いジャンルだった。そして、そういったアドリブを制限して楽曲をわかりやすく構築することで、軽快で耳心地の良いサウンドを生み出したのが、カシオペアだ。

バンドの醍醐味である高速ユニゾンや16ビートのキメはもちろん、心に響く美しいメロディラインを世に放った稀代のメロディーメーカー、野呂一生の功績は計り知れない。そして、ここで紹介する「Black Joke」には、先に記した高速ユニゾンや16ビートのキメがもれなく配されている。冒頭の高速ユニゾンにおける譜割りが恐ろしく面倒で(8音構成のフレーズを6連符にして4拍を3つに分解)、まさにタイトルに違わず ''ブラック・ジョーク'' そのものなのだ。

デビュー当時話題になった ''日本が生んだテクニック集団'' という触れ込みは伊達じゃない。ちなみに、このデビューアルバムのドラムは初期メンバーの佐々木隆であり、ソリッドでジャズ色の濃い演奏が特徴。細かいキメを随所で合わせる繊細さとジャズ特有のダイナミックさを両立させたドラムが実に気持ちいい。



猛暑をぶっ壊せ!にピッタリなTHE SQUAREの名曲


JAPANESE SOUL BROTHERS / THE SQUARE
(アルバム『THE SQUARE LIVE』1985年)

言うまでもないが、EXILEの人たちではない(笑)。この曲は、ライブに来ないと聴くことができないファン必聴のお祭りナンバーだった。スタジオアルバムに収録されたのは1998年の『GRAVITY』で、なんとデビューから20年以上経ってからだ。

僕がライブでSQUAREを観たのはアルバム『脚線美の誘惑』がリリースされた1982年。ベースが田中豊雪、ドラムは長谷部徹の時代だ。とにかく、そこで観た「JAPANESE SOUL BROTHERS」は灼熱そのもの。なかでも一番盛り上がったのはベースの田中豊雪によるソロだった。完全に突っ走って暴走!ベースを背負って弾いたり弦を歯で引っ張ったりお客さんに渡して適当に弾かせたり…

もうめちゃくちゃなのである。当然ファンのボルテージは最高潮に達するのだが、そのほとんどが男性。“トヨユキ~!” と野太い声がライブ会場に響き渡る男祭りの様相は、まさしく猛暑をぶっ壊せ!にピッタリだと思うのだがどうだろう。



浪花エキスプレス の魅力が全て詰まった「大宇宙無限力神」


大宇宙無限力神 / 浪花エキスプレス
(アルバム『大宇宙無限力神』1982年)

1980年代のフュージョン・シーンにおいて彼らを外すわけにはいかない。ナニワといえば、大人気曲「BELIEVIN’」をお勧めしたいところだけれど、今回は彼らの魅力が全て詰まった楽曲「大宇宙無限力神」をお勧めする。

アルバムジャケットに “針圧の調整によっては針が飛ぶことがありますのでご注意ください” と記載があり、ライナーノーツにも “お年寄り、妊娠中の方、高血圧、狭心症の方はご遠慮ください” と注意書きがある。本気か冗談かわからない(笑)。さらに、リーダーであるベースの清水興曰く、ナニワは “スーパー・ハード・ロック・ウルトラ・ジャズ・バンド” で、軽快なBGMではなく “飯を食っているときに箸を止めたくなる音楽が目標” …とまぁ、この 大阪ノリの暑苦しさ(褒めてます)を含めて猛暑にピッタリじゃないだろうか。

ライブではもちろんだが、圧巻なのは東原力哉のドラム。とにかく譜割りできないフレーズを無理矢理1拍にぶち込んでくるのだ。そして、青柳誠によるソプラノサックスの美しい旋律をぶっ飛ばす岩見和彦の重低音ディストーションギター。静と動、秩序と混沌、まるで前衛芸術の舞台のような楽曲である。お洒落なカフェのBGMには絶対ならないのだが、これもまたジャパニーズ・フュージョンなのである。



1990年代を席巻したフュージョン・ユニット “DIMENSION”


Lost in a Maze / DIMENSION
(アルバム『Third Dimension』1994年)

最後は1990年代を席巻したフュージョン・グループ “DIMENSION” を紹介したい。サックスの勝田一樹、ギターの増崎孝司、キーボード小野塚晃(2020年脱退)からなるユニットだ。リズム隊がパーマネントのメンバーではないので、アルバム『Third Dimension』は、キーボードの小野塚がベースとドラムを打ち込みで作っている。そして、この打ち込みテクニックが尋常じゃないのだ。

今回紹介する「Lost in a Maze」は、30年以上前の録音とは思えぬ衝撃の内容で、打ち込みなのに独特のノリがあるのだ。現在ではプリセットされたエフェクト機能で一発なのだが、小野塚は音の強弱をつけたりタイミングを少しだけずらしたりという作業を手打ちで細かく設定している。これによって16ビートのキメやドラムのフィルイン、ベースのちょっとしたソロでさえも自然に聴くことができるのだ。ぜひ現役のベーシスト、ドラマーに聴いて欲しい1曲である。




ーー ということで、【死ぬほど暑い夏に聴くジャパニーズ・フュージョン】はどうだったかな? どのグループも日本の音楽シーン最前線で活躍している現役のグループ(ユニット)なので、この夏はぜひ彼らのライブに足を運んでみてほしい。スタジオ盤もいいが、彼らのライブでのパフォーマンスには圧倒的な迫力がある。さぁ、ジャパニーズ・フュージョンで猛暑をアツく乗り切ろう!

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2025.08.05
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カタリベ
1967年生まれ
ミチュルル©︎たかはしみさお
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