4月8日

結果発表!80年代のアニメソングは【TM NETWORK】と【機動戦士ガンダム】が強かった!

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結果発表【80年代アニメソング総選挙】リレー総括 vol.2

2位にダブルスコア近い大差をつけてのナンバーワンソングは「Get Wild」


80年代のナンバーワンアニメソングを決める『80年代アニメソング総選挙!ザ☆ベスト100』のランキング結果がこのほど発表された。まずトップ10の順位を見て思うところは2つ。

① TM NETWORK 強し!
② ガンダム強し!

である。めでたくナンバーワンソングに輝いたTM NETWORKの「Get Wild」は、2位にダブルスコア近い大差をつけての、堂々グランプリ。お馴染み『シティーハンター』のエンディングテーマ曲だが、同じく『シティーハンター2』のエンディングテーマである『STILL LOVE HER(失われた風景)』も8位にランクイン。さらに『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』の主題歌である「BEYOND THE TIME(メビウスの宇宙を越えて)」も5位と、TMがトップ10に3曲も送り込んだのは、その音楽がアニメと抜群の相性の良さを感じさせるゆえの快挙だ。

音楽ファンのみならず、多くのアニメファンに支えられたTM NETWORK


TM NETWORKは、80年代にシンセサイザーを多用したデジタルサウンドで、SFや近未来的世界を表現し高い人気を誇った。まさに『シティーハンター』や『機動戦士ガンダム』の世界観を表現するベストな音楽だったのだ。故に音楽ファンのみならず多くのアニメファンの支持も集めたと言える。

また、近年の小室哲哉再評価の機運も、投票数を伸ばした一因だろう。『シティーハンター』関連曲は、30位までに都合5曲がランクインしており、このアニメと、80年代ポップス、ロックとの親和性の高さを象徴する結果とも言える。



人間の普遍的な感情をテーマにしたガンダム関連のアニソン


一方の『機動戦士ガンダム』関連作も、森口博子「水の星へ愛をこめて」が3位、前述の「BEYOND THE TIME」が5位、そして井上大輔「哀・戦士」が7位と、こちらも3曲がトップ10にランクイン。これは『機動戦士ガンダム』のシリーズが、80年代にアニメを体験した世代に、大きく刺さる作品であった証明だ。

『ガンダム』関連のアニソンは、他にランクインした楽曲とはやや傾向が異なる。どの曲もアニメの世界観を体現したものではあるが、もう1歩踏み込んで、『ガンダム』には、作品を通して人生の喜怒哀楽や希望、絶望、諦観や愛情、覚悟、闘志、共感といった様々な感情を追体験するファンが多かった。

ゆえに主題歌や挿入歌も、そういった人間の普遍的な感情をテーマにした楽曲になる。 “ガンダムで人生を学ぶ” というのはあながち的外れでもなければ揶揄されることでもない。そういった作品世界の奥深さが、楽曲にも投影され、『ガンダム』を1作も見たことがない人にも、長く名曲として聴かれ続けているのである。上位に来るのも至極当然の結果なのだ。




音楽とアニメが一体化した「マクロス」の主題歌「愛・おぼえていますか」


逆に、音楽とアニメが一体化した作品では、2位にランクインした「愛・おぼえていますか」。映画『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』の主題歌だが、『マクロス』という“アニメ自体が、歌で戦う” 世界観を持つため、劇中歌が作品のテーマや物語に深く関わっており、その比重は他のアニソンに比して遥かに大きい。歌い手の飯島真理は劇中でもヒロインであるリン・ミンメイの声を担当している。現在でも大人気の『マクロス』シリーズだが、その人気がこの1曲に集中した結果だろう。



4位にランクインした杏里の「CAT’S EYE」。こちらは同名アニメのオープニングテーマだが、この原作は『シティーハンター』と同じ北条司。さらに、6位の「タッチ」、9位の「想い出がいっぱい」は共にあだち充原作のアニメ主題歌である。今回のトップ10はガンダム、北条司作品、あだち充作品が10曲中8曲を占めているのだ。

80年代に隆盛を極めたロボットもの、近未来アクション、ラブコメ


ジャンルはロボットもの、近未来アクション、ラブコメと異なっているが、いずれも80年代に隆盛を極めたジャンルであり、従来の子供向けアニメから、青年層にまでアニメの視聴者層が拡大したことを物語る。現在に至るまでの日本のアニメの中心的な題材はこの3つと呼べるだろう。

上位の楽曲は、楽曲単体で長く親しまれたナンバーが多く、極端な話、アニメ主題歌ながら、そのアニメを観ていない人たちにも認知が高い楽曲ばかり。これは80年代以降、顕著になった傾向である。基本的に70年代まではアニメは子ども向けのものであり、アニソンも同様に子ども層を対象とした楽曲がほとんどであった。アニメのキャラクターや世界観を紹介する歌詞、子どもでも覚えやすく口ずさめるメロディーで、歌い手もアニソン専門のシンガーが多くを占め、アニメの世界とアニソンで歌われる世界観は直結していた。

その流れが大きく変わり、人気アーティストやアイドルなどがアニソンに参入することにより、普通に独立したヒット曲としても聴かれるようになったのがこの時代である。今回、上位に食い込んだアニソンの多くはオリコンチャートの上位にランキングされた曲ばかりで、「Get Wild」や「CAT’S EYE」は1位、「タッチ」や「想い出がいっぱい」も、それぞれのシンガーの最大ヒット曲となっている。

10位に滑り込んだ「ペガサス幻想」は、『聖闘士星矢』の主題歌で、ハードロックバンドのMAKE UPが歌っている。このアニソンとハードロックの邂逅も、80年代ならではの現象だ。

ジブリ作品の人気が順位に反映


トップ10以下を見てみると、惜しくも11位と12位だが、どちらも高橋留美子原作の『うる星やつら』と『めぞん一刻』の主題歌が続けてランクイン。アニメが80年代サブカルチャーやオタク文化と融合し始めた、その代表的な2作品である。



さらに興味深いのは、映画におけるアニメのポジションの拡大が、順位に反映されている点。トップ10のうち3作品が映画主題歌で、さらには、映画制作を中心に据えたスタジオジブリ作品のテーマソングが、15位「君をのせて」(天空の城ラピュタ)を筆頭に、34位「やさしさに包まれたなら」(魔女の宅急便)、60位「となりのトトロ」(となりのトトロ)、さらに『風の谷のナウシカ』のイメージソングである21位「風の谷のナウシカ」も含めれば4作が100位以内にランクイン。ジブリ作品はユーミンを除けば、発表当初はほぼ新人アーティストの楽曲なので、これは長年にわたり何度も繰り返し鑑賞される機会が多い、ジブリ作品の人気が順位に反映したものだろう。

さらなる市場の拡大を呼んだ「宇宙戦艦ヤマト」、「銀河鉄道999」


48位の「少年期」(ドラえもん のび太の宇宙小戦争)や66位「美しき狼たち」(あしたのジョー)など、テレビアニメと別物として作られた映画版。64位「地球へ…」(地球へ…)や89位「光の天使(Children Of The Light)」(幻魔大戦)などのオリジナル作品も目立つ。映画はテレビアニメ主題歌のように、毎週放送されることで刷り込まれていくタイプの楽曲ではないので、これらは楽曲自体の力が大きかったものと思われる。この傾向は70年代後半の『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』『銀河鉄道999』の映画版主題歌のヒットがさらなる市場の拡大を呼んだものだ。

このように、多種多様な要素をはらんでいた80年代のアニソンだが、結果としては、アニメも人気、アニソンもヒットし、さらには楽曲単体でも長く聞かれ続けた作品が上位にランクインするという、至極当然の結果となった。歌手も楽曲も単純にアニソンと括るより、時代のヒット曲として愛された作品なのである。裏を返せばアニソンが、時代を投影するヒット作品になり得た、その幕開けが80年代であったことを物語っているのだ。

80年代アニメソング総選挙!ザ☆ベスト100

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2024.04.07
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