2026年 7月23日

田原俊彦【最新ライブレポート】65歳の現在進行形!定番を壊して挑む2026年の全国ツアー

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田原俊彦のコンサート「Dance with KING of IDOL 2026〜パーティーはこれからだ!~」初日公演日(埼玉・川口総合文化センター・リリア)
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photo:西村彩子  

現在、田原俊彦は全国ツアー『Dance with KING of IDOL 2026〜パーティーはこれからだ!~』を開催中である。7月23日の埼玉・川口総合文化センター・リリアを皮切りに、全国18公演。9月23日には、7年前の40周年ライブ以来となる東京・NHKホール公演も行う。本稿では、ツアー初日となった川口公演についてレポートしたい。今年で65歳となった “KING OF IDOL” はどんなステージを見せているのか? なお、ここから先はネタバレありなので、今後ライブ鑑賞の予定があり、内容を事前に知りたくない方は、後日じっくりお読みいただきたい。

セットリストを自ら組む田原俊彦、今年はその土台をぶち壊す


田原俊彦は、ライブのセットリストを自分で決める。ツアーを続けることは田原にとってエンターテイナーとしての本懐であり、セットリスト作りはライフワークともいえる。毎年11月のツアー終了直後から、翌年の構成を検討し始めるという。そのセットリストは、ニューシングルを盛り込んで現在進行形の姿を見せつつ、常連のファンを飽きさせず、さらにデビュー初期のヒット曲を聴きたいライトファンも満足させる。複数の観点から曲を並べ、組み替えていく。ここ何年かは、一定の土台があり、それをアレンジし、バージョンアップさせる傾向があったが、今年はその土台をぶち壊すことから始めた。

1曲目のイントロで客席が沸く。近年のツアーではめったに聴けなかった「銀河の神話」をオープニングに持ってきた。この曲は1985年、田原が23歳だった頃のシングルで、作曲は呉田軽穂(松任谷由実)である。現段階でトシちゃん × ユーミンという組み合わせは、この1曲だけである。 衣装は鮮やかなピンクのセットアップ。近年ランウェイでも再浮上しているパワーショルダー系ジャケットに、ワイドなスラックスという尖ったシルエットだ。ド派手なファッションが似合う65歳は、さらに客席を驚かせた。2曲目、ライブではご無沙汰で、ファンの要望も強かった「ベルエポックによろしく」のイントロが流れると、ステージ後部の高台から目の前に用意された滑り台を立ったまま滑り降りた。けがのリスクも大きいパフォーマンスだが、サプライズとしての破壊力は抜群だ。

続く「KID」も「ベルエポックによろしく」と同じく阿久悠の作詞で、同様にツアーでは久々だ。当時は、田原が阿久悠と組んだ作品を次々と送り出していた時期で、「KID」が発売された1987年1月21日のわずか3日後には、阿久悠原作・製作、田原主演の映画『瀬戸内少年野球団・青春篇 最後の楽園』も公開されている。アイドルから大人のエンターテイナーへと進んでいた頃の田原を、一気に掘り起こすような3曲が今回のツカミだった。

カメラ:西村彩子


レア曲から「ジャングルJungle」、新曲「恋のミラージュ」へ


“げんきですか~!” “1、2、3、4、5、6、7、ハッピー!”。 恒例の挨拶と短めのMCを挟んで、1990年代から2020年代まで、各時代のシングルが並ぶ。「思い出に負けない」は特にレア度が高い曲だ。毎年ツアーに足を運んでいる人ほど、今年は攻めてきたと感じるセットリストだろう。

1990年発売のヒットナンバー「ジャングルJungle」のパフォーマンスは、会場の熱をさらに上げた。激しい振付が続く、田原のレパートリーの中でも “消費カロリー最上位クラス” の1曲である。それを何事もないように踊りこなす姿を見ることも、ファンの楽しみになっている。65歳となった今年も、もちろん難なくクリア。「♪そうさ!」と、最後のフレーズも力強い。

そして、今年(2026年)6月17日に発売された82枚目のシングル「ナニコレ最高!!!」のカップリング「恋のミラージュ」が、ツアーに新鮮味を与える。ラテン、キューバン・ソウルを基調にしたナンバーで、女性ダンサーとの妖艶な振付でも魅せる。この曲から着用した2着目の衣装は、ブルーグレーをベースに、ピンクやオレンジのボタニカル柄を全面に配したスリーピースだ。田原俊彦だから似合う、田原俊彦しか似合わない衣装がステージに映える。

カメラ:西村彩子


アルバムの夏曲から大ヒット曲まで、2つのメドレーで魅せる


今回は2つのメドレーコーナーが用意された。まずは「26 Summerメドレー」である。といっても、「キミに決定!」「シャワーな気分」「さらば‥夏」などのシングルA面曲ではなく、1980年代にリリースされたアルバムの夏曲が集められた。田原はこうした変化球を好む。

そして、「26夏シングルメドレー」で後半がスタート。衣装は、白を基調に黒の装飾を効かせたドレスコート風のロングジャケットにチェンジした。長い裾がダンスのたびに大きく翻る。 「哀愁でいと」「ハッとして!Good」など、フルサイズでも確実に盛り上がるヒット曲を、惜しみなくメドレーに投入していく。しかも、曲ごとにダンスのテイストがまるで違う。ヒット曲の多さだけでなく、田原が踊ってきたダンスの幅まで見えてくるメドレーとなった。

新曲「ナニコレ最高!!!」から「抱きしめてTONIGHT」へ


ラストスパートでは、オリコン週間シングルランキング初登場10位を記録した82枚目のシングル「ナニコレ最高!!!」で、会場が大いに沸く。ファンク系のダンスナンバーで、今風の短いフレーズに多くの言葉を押し込んでいくスタイルは、田原にとって新しい挑戦だった。

歌詞には「♪笑いジワ」「♪年齢ただのナンバー」と、今の田原自身を映す言葉も並ぶ。振付に合わせて客席のペンライトが一斉に動く。2026年の新曲が会場に一体感を生んでいる事実が、田原俊彦の現役感を示している。 そこから「LIFE IS A CARNIVAL」「Dynamite Survival -I WILL SURVIVE-」と新旧の盛り上げ曲を一気に畳みかける。MCを挟むと空気を一変させ、「Lovesick Rain」で本編を締めくくった。

カメラ:西村彩子


アンコールではキラーチューン「抱きしめてTONIGHT」を1曲目に持ってきた。高く上がる脚、鋭いターン、軽快なムーンウォーク。1988年の大ヒット曲を、今も当時の振付を交えて踊る姿は、やはり田原俊彦のライブを象徴する光景である。ラストナンバーは、2014年に発表された “タオル振り振りソング”「LOVE&DREAM」だ。タオルが客席いっぱいに回った。

こうしてセットリストを見渡せば、例年なら当然のように入っていた、あの曲もこの曲もない。定番を残して少しずつ入れ替えるのではなく、一度崩して組み直したのが今年のツアーである。また今年は、ライブの一部をスマートフォンで撮影してSNSに公開できる恒例の “拡散祭り” も行われなかった。惜しむ声がある一方、ライブに集中できることを歓迎するファンもいる。ここにも、近年の定番を一度崩した2026年のツアーらしさが表れている。

最新版にして最上級の田原俊彦


還暦を過ぎてもトシちゃんはスゴい。足が上がる。ターンは素早い。激しく踊っても歌声は乱れない――。田原俊彦がそんな驚き方をされるようになって、もう何年にもなる。今では、それが当たり前になっている。むしろ、本人にとってはそれが標準装備なのである。もっとも、MCでは、いつものように肩で息をしながら、体力の限界を自虐的に笑いにする。そのうえで、毎年の新曲も交え、その時点での最新版にして最上級の田原俊彦をステージで見せてくる。年齢が “ただのナンバー” であることを実証する。

今年のツアーは11月14日の熊本公演まで続く。田原はツアー前のインタビューで、デビュー50周年イヤーとなる2029年をひとつのマイルストーンとしていると話していた。その次に見えてくるのは、2031年、70歳を迎える古希イヤーだろうか。『Dance with KING of IDOL 2026〜パーティーはこれからだ!~』。そのタイトル通り、トシちゃん主催のパーティーは最高潮のままでエンドレスに続いていきそうだ。

カメラ:西村彩子



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