7月1日

松田聖子の世界をつくった作詞家【追悼:三浦徳子】キラキラが80年代の扉を開けた!

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曲全体を包み込む透明感やサビの突き抜けた感じに共通点が見られる三浦徳子、小田裕一郎コンビ


作詞家・三浦徳子の名前を意識し始めたのは、松田聖子がデビューしてからだった。おそらくはそこからという方が大半なのではないだろうか。自分が最初に買った松田聖子のレコードは不覚にも「青い珊瑚礁」だったが、すぐにデビュー曲の「裸足の季節」も追いかけ、そのどちらにも「作詞:三浦徳子、作曲:小田裕一郎」のクレジットを確認できた。まだあどけない表情で一所懸命に歌っていた松田聖子のパフォーマンスとも相まって、なんて瑞々しくキラキラとした歌なのだろうと、それまでに感じたことのなかった新しいアイドルポップスの魅力に開眼させられ、何度もレコードをターンテーブルに乗せたことを憶えている。続いての「風は秋色 / Eighteen」の両A面シングル、どちらも三浦の作詞。

しばらくは “みうらのりこ" かと思っていたのだが、何かのきっかけで “みうらよしこ” であることを知った。『ザ・ベストテン』で久米さんが教えてくれたか、ラジオ番組で作家の名前が読まれて気づいたのかもしれない。



松田聖子と同じく1980年にデビューした河合奈保子のデビュー曲「大きな森の小さなお家」も三浦の作品だと知ってちょっと驚かされた。少し遡ると、1978年から1979年にかけて発表された、石川ひとみ「右向け右」「くるみ割り人形」や、岩崎宏美「万華鏡」も三浦の作品。トローチのCMに起用されてスマッシュヒットした石川優子「クリスタルモーニング」は、「青い珊瑚礁」と同じく小田裕一郎とのコンビで、言われてみれば曲全体を包み込む透明感やサビの突き抜けた感じに共通点が見られる。

1977年に高田みづえのデビュー曲「硝子坂」のB面曲となった「DÔMO DÔMO」が作詞家デビュー作(みうらよしこ名義)だそうだが、翌年の八神純子「みずいろの雨」が大ヒットして出世作となる。アレンジは大村雅朗だった。八神には続けて「想い出のスクリーン」「ポーラー・スター」「甘い生活」「パープルタウン」 と、シングルを5作連続で手がけている。いずれも強めの言葉が多く、一連のアイドルソングとは雰囲気がかなり異なる。さらに沢田研二「おまえがパラダイス」や「ス・ト・リ・ッ・パ・ー」では大人の男の心情が描かれるなど、歌い手に合わせた自在な作風が展開されていった。

俄然輝きを失わない歌謡ポップスナンバーが作詞家・三浦徳子の代表作





本格的な活躍は、やはり1980年代に入ってからとなる。松田聖子と同期の田原俊彦にも「君に薔薇薔薇…という感じ」「ラブ・シュプール」「シャワーな気分」などたくさんの作品を書いていた。さらにシブがき隊や光GENJIにも作品を提供しており、後のSexy ZoneやA.B.C-Zへと至る、一連の男性アイドルソングの先駆けであった。

昨今ではシティポップ・ブームを促した、松原みき「真夜中のドア」も再評価の声が著しいが、松田聖子への提供作品をはじめ、郷ひろみ「お嫁サンバ」、早見優「夏色のナンシー」、吉川晃司「モニカ」、工藤静香「嵐の素顔」などの俄然輝きを失わない歌謡ポップスナンバーが作詞家・三浦徳子の代表作といえるだろう。

三浦の持ち味であるキラキラ感が存分に発揮されている ”トミーとマツ” のエンディングテーマ曲





一方で、坂上とし恵「き・い・てMY LOVE」、太田貴子「LOVEさりげなく」など、主にマニアから好まれている作品にも傑作が多い。意外なところでは、浜田省吾「愛を眠らせて」「風を感じて」なども。個人的に存在を記しておきたい作品のひとつが、TBS系テレビドラマ『噂の刑事トミーとマツ』のエンディングテーマとして主演の松崎しげるが歌っていた「WONDERFUL MOMENT」だ。1980年の第9回東京音楽祭世界大会に出場して銀賞を獲得したスケールの大きなナンバー。ここでもまた、三浦の持ち味であるキラキラ感が存分に発揮されている。

昭和にヒット曲を連ねた作家であったにもかかわらず、平成以降もハロー!プロジェクトやジャニーズ事務所(現:SMILE-UP.)関連の作品を多数手がけ、さらにアニメソングや童謡に至るまで、時代を超えて常に第一線で作品を世に送り続けた稀有なヒットメーカーであった。輝かしい1980年代を最も鮮やかに体現して見せてくれた作詞家のひとりではなかっただろうか。

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2023.12.17
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カタリベ
1965年生まれ
鈴木啓之
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