で、今回はその「異邦人」をテーマにした楽曲を紹介したいと思います。タイトルは「アラブ人を殺す(Killing An Arab)」、ザ・キュアーのデビューシングルです。
主人公が「太陽のせい」という動機でアラブ人を殺してしまうという内容の「異邦人」からストレートにインスパイアされたシンプルなパンクソングで、「I'm alive / I'm dead / I'm the stranger / Killing an Arab」というサビが脳裏に残ります。そんなにヒットはしませんでしたが、彼らの代表曲のひとつであり、初期のベストにも収録されてました。
どうやらタイトルが問題なのだと。たしかに発表当時に比べると今はまずいなと。背景を知らずにタイトルだけ見たときには誤解を与えます。自主回収ということだったんですね。ということで2011年のライヴCDでは、「Killing Another」というタイトルで演奏しています(「Kissing An Arab」というタイトルで演奏されたこともあるようです)。ロバート・スミスは「これこそ不条理だ!」と思っているでしょうね(笑)。読書の秋にちなんで、また「異邦人」読み直してみようかな。
筆者注: 「Killing An Arab」はリマスターされたオリジナルアルバムやベストのCDには収録されてませんが、文中の初期のベスト「Standing On A Beach」、アメリカでのデビュー時の編纂アルバム「Boys Don't Cry」に収録されており、それらのCDは手に入るようです。 2016.09.28