7月16日

猛暑を乗り切る1980年代サマーソング13選!松田聖子からプリプリまで夏の名曲がここに集結

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どうやら今年の夏も猛暑らしい。冷夏になりやすいと言われるエルニーニョ現象が観測されているにもかかわらずだ。予報によると、暑さのピークは7月下旬から8月上旬。つまりこれからの時期ということになる。気象庁は今年4月、最高気温が40度以上の日を指す “酷暑日” という気象用語を制定した。ちなみに昨年(2025年)の東京は最高気温35度以上の猛暑日が29日もあった。

一体、今年はどうなることやらだが、そんな季節にふさわしいプログラムが歌謡ポップスチャンネルで放送される。『Re:minder SONG FILE』の「猛暑を乗り切るサマーソング」特集だ。1980年代の夏を彩ったサマーソングから、イケイケなアッパーチューンと、チル系のメロウなナンバーを13曲、交互にお届けするので、視聴すればきっと今夏の猛暑を乗り切るパワーをチャージしていただけることだろう。

田原俊彦「キミに決定!」からスタート


番組序盤はアイドル4組が登場する。まずは最新シングル「ナニコレ最高!!!」が通算40作目のトップ10入りを果たした田原俊彦の「キミに決定!」(1981年)からスタートだ。当時20歳のトシちゃんにとって5作目のシングルで、上昇音階のイントロから心浮き立つダンサブルなサマーポップス。万人を笑顔にする、あっけらかんとしたボーカルも本特集のオープニングにふさわしい。

作家陣は「ハッとして!Good」「ブギ浮ぎ I LOVE YOU」に続いて、シングルでは3度目のタッグとなる宮下智(作詞・作曲)と船山基紀(編曲)。“イントロの魔術師” の異名をとり、華やかな音づくりを得意とする船山は本作でもサビ前に鐘がキンコン鳴り響くSE(効果音)を挿入したり、間奏でアフロ・キューバンの名曲「南京豆売り」のフレーズを入れたりと、随所にキャッチーな仕掛けを施している。

松田聖子が20歳のときに発表した「小麦色のマーメイド」


トシちゃんとくれば、次は聖子――。1980年デビューの同期にして、片や “キング・オブ・アイドル”、片や “永遠のアイドル” として、現在も第一線で活躍を続ける2人だが、今回は松田聖子がやはり20歳のときに発表した「小麦色のマーメイド」(1982年)をセレクトした。

この年、ユーミンが呉田軽穂名義で作曲を手がけた「赤いスイートピー」でファン層を拡大した松田聖子は、同じ作家陣(作詞:松本隆、作曲:呉田軽穂、編曲:松任谷正隆)によるシングルを立て続けにリリース。第3弾にあたる本作はリゾート地のプールサイドを舞台に、男女の駆け引きを幻想的に描いたミディアムバラードで新しい魅力を訴求した。

アイドルの夏のシングルと言えば、恋のときめきを明るくポップに歌うのがお約束だった当時、この曲を初めて聴いた筆者は “ずいぶん地味だな。さすがの松田聖子もここまでか” と感じたものだが、杞憂だった。それまでのハイトーンボイスとは一線を画すウイスパー唱法で揺れる気持ちを巧みに表現した彼女は難なく1位を獲得。王道のアイドルポップスとは異なる路線でボーカリストとしての幅を広げたのだから我が身の不明を恥じるほかない。



南国情緒溢れる松本伊代のラテンポップ「太陽がいっぱい」


1980年代のアイドルシーンを牽引した2人に続いては、“花の82年組” から松本伊代「太陽がいっぱい」(1983年)をお送りする。ブラジルのビーチリゾート「コパカバーナ」を連呼する南国情緒溢れるラテンポップで、テレビ出演時はトロピカル調のミニドレスで歌唱していた。大胆で情熱的な歌詞も含めて、少し大人になった伊代ちゃんを味わえるサマーソングだ。

作詞はビクターの先輩歌手で、のちに物真似タレントとしても活躍する篠塚満由美。作曲の羽佐間健二は松本の担当ディレクターだった川原伸司の変名である。平井夏美のペンネームで松田聖子「Romance」や「瑠璃色の地球」などを作曲したことでも知られる川原は、原盤制作プロデューサーのロビー和田から要請されて本作を作曲。親交のある杉真理の発案で、ビートルズ「エリナー・リグビー」の歌詞に登場する “Father Mckenzie” をもじった “羽佐間健二” 名義を使用したという。

ここ数年、音楽活動を精力的に展開している松本伊代は今年がデビュー45周年。10月には記念のアニバーサリーライブを、音楽監督の船山基紀が指名した腕利きミュージシャンの演奏で開催する。磨きのかかった歌声で「太陽がいっぱい」を聴けることを期待したい。



近藤真彦の少年から青年への成長を感じさせてくれた「永遠に秘密さ」


続く近藤真彦も事務所から独立した2021年以降、コンサート活動を本格的に再開。今年は野村義男とのジョイントに始まり、全国4つの島を巡るツアー、自身初の韓国公演、7月のバースデイライブ、8月以降の単独ツアーと、いつにも増して大車輪の活躍ぶりだが、今回は「ハイティーン・ブギ」の松本隆(作詞)と山下達郎(作曲・編曲)が再び組んだ「永遠に秘密さ」(1984年)を選曲した。

月夜の渚で逢瀬を交わす男女を描いた同曲は、同じく松本隆が作詞を手がけた松田聖子「秘密の花園」の姉妹編と言ってもいいロマンティックなラブソング。ギターとコーラスは山下達郎が担当しており、夜の海の涼風を感じるビーチ・ボーイズ・サウンドに仕上がっている。リリース2ヶ月前に20歳を迎えたマッチは従来の熱唱を封印。情感溢れる抑えめのボーカルで、少年から青年への成長を感じさせてくれた。

抜群の表現力で聴く者を魅了する西城秀樹、尾崎紀世彦、フランク永井


アイドル4組の次は、猛暑を吹き飛ばすほどの歌唱力を持つ男性シンガーの夏うた2曲をお聴きいただく。西城秀樹「聖・少女」(1982年)と尾崎紀世彦「サマー・ラブ」(1987年)だ。

「聖・少女」は西城と同じ広島出身の吉田拓郎(生まれは鹿児島)の作曲で、拓郎作品ではお馴染みの松本隆が作詞を、瀬尾一三が編曲を担当している。このとき27歳のヒデキは恋する女性の気持ちが読み切れず、戸惑う男心を軽快なリズムに乗せて歌唱。爽やかさのなかに哀愁も潜ませた抜群の表現力で聴く者を魅了する。

一方、「サマー・ラブ」はフィル・スペクター風のゴージャスなオーケストレーションと包容力のあるボーカルが余韻を残す、オールディーズ調のサマーチューン。ともに白一色のスーツに身を包んだプロゴルファーの青木功と尾崎将司が真っ青な海をバックにビールを飲み干すCM(アサヒ生ビール)で流れていたため、その映像を思い起こす昭和世代も多いのではないか。

1980年代はフランク永井「Woman」、森進一「冬のリヴィエラ」、小林旭「熱き心に」、美空ひばり「愛燦燦」など、ベテラン歌手がCMタイアップ曲で新境地を開拓するケースが続いたが、尾崎にとって久々のヒットとなった「サマー・ラブ」もそのひとつ。余談となるが、作詞のなかにし礼と作曲の井上大輔は翌1988年、やはりアサヒ生ビールのCM(出演は加山雄三と真田広之)に起用された西城秀樹「Blue Sky」も手がけている。



夏の海で燃えつきた恋を強がり混じりに歌う、とんねるず「大きなお世話サマー」


話を戻そう。プログラムの折り返しとなる7曲目には、とんねるず「大きなお世話サマー」(1987年)をセットした。出世作の「一気!」以来、演歌、歌謡曲、ディスコ、倉本聰脚本のドラマ『前略おふくろ様』などに着想を得たパロディ路線でヒットを重ねてきた彼らだが、同曲はGS(グループサウンズ)や石原裕次郎映画を彷彿とさせる世界観。テレビではGSバンド風のミリタリールックで歌うこともあった。

作詞・作曲はTHE ALFEEの高見沢俊彦。すでに小泉今日子や新田恵利らに書き下ろした楽曲で、作家としても実績を積んでいたが、コミカルな味付けの本作や、同時期に提供した明石家さんま「真赤なウソ」もヒットさせ、その非凡な才能を知らしめる。夏の海で燃えつきた恋を強がり混じりに歌う「大きなお世話サマー」はオリコン週間3位をマーク。若者の間でカリスマ的な人気を博していたとんねるずは「雨の西麻布」以来8作連続のトップ10入りを記録した。

CMソングとしてもお馴染み。クリスタルキング、山下久美子、八神純子の名曲


さて、変化球のあとは1980年代にヒットを量産した化粧品と航空会社のCMに起用されたサマーソングから選り抜きの3曲をお楽しみいただく。

まずは資生堂1980年夏のキャンペーンソングとなったクリスタルキングの「蜃気楼」。ミリオンセラーとなったデビュー曲「大都会」に続くセカンドシングルで、オリコンで2位、TBS系『ザ・ベストテン』では1位を獲得する連続ヒットとなった。作詞はNSPの天野滋、作曲はメンバーの山下三智夫で、ゆったりとしたAメロからサビに向けて徐々に高揚していくドラマティックな展開が聴きどころだ。CMでは灼熱を思わせる海岸に、モデルの田中ちはるがナツコとして登場。その映像に「♪輝く風の中で 笑顔が素敵な 真夏の女に変わるだろう」と歌う田中昌之のダイナミックなハイトーンボイスが乗り、強烈な印象を残した。

その資生堂としのぎを削ったカネボウ陣営からは、1982年の夏を彩った山下久美子「赤道小町ドキッ」をお届けする。「♪ドキッ ドキッ」を連呼するイントロからインパクト抜群の同曲は前年にイモ欽トリオ「ハイスクールララバイ」をミリオンヒットに導いた松本隆(作詞)、細野晴臣(作曲)の、はっぴいえんどコンビによる作品。編曲を担当した大村憲司の手腕により、細野らしいテクノサウンドと、山下久美子のポップロック路線を融合した仕上がりとなっている。デビュー3年目の山下は観客を熱狂させるライブパフォーマンスが評判を呼び、“総立ちの久美子” と呼ばれていたが、オリコン2位まで上昇した本作でブレイクを果たす。『ザ・ベストテン』世代には、Gスタジオに運び込まれた本物の象に乗って歌う姿が焼き付いているに違いない。



もう1曲は八神純子の「サマー イン サマー ~想い出は、素肌に焼いて~」。日本航空が1982年に展開した沖縄キャンペーンのイメージソングで、浮遊感のあるメロウなサウンドと愁いを帯びた八神のボーカルが、夢とうつつをさまようヒロインの心象風景と絶妙にマッチしている。

当時の日本航空はヤマハ音楽振興会主催の『世界歌謡祭』と『ポピュラーソングコンテスト』の後援をしていた関係もあって、ポプコン出身アーティストの楽曲を自社のCMに使用することが多かった。沖縄キャンペーンに関しては、ツイストの「LOVE SONG」(1980年)、石川優子の「シンデレラ サマー」(1981年)に続いて、3年連続でヤマハ所属のアーティストが担当。八神は1980年、JALPAKのニューヨークキャンペーンに「パープルタウン 〜You Oughta Know By Now〜」が起用され、自身初のCM出演も果たしていたが、このときは熊本大学の学生だった斉藤慶子がキャンペーンモデルを務め、芸能界入りするきっかけとなった。

ヒットチャートを賑わせた渚のオールスターズ、徳永英明


さぁ、番組も終盤。ここからはバブル期の夏にヒットチャートを賑わせた3曲をお送りする。

まずはビーイング所属のアーティストを中心に結成されたスーパーユニット、渚のオールスターズの「DAY IN VACATION」(1989年)から行ってみよう。サードアルバム『渚のカセットVol.3』のリードシングルとして発売された同曲は、当時TUBEへの提供作品でヒットを連発していた亜蘭知子(作詞)と織田哲郎(作曲・編曲)のコンビが手がけたリゾートソングで、織田、亜蘭のほか、前田亘輝、栗林誠一郎、伊藤一義がリレー形式で歌唱している。
ときめきと切なさを両立させた織田哲郎ならではのメロディと疾走感のあるギタープレイ、そして全編を彩る爽快なコーラスワーク――。まさに渚で聴きたくなる夏の開放感に満ちた本作を聴けば、猛暑でもテンションが上がること請け合いだ。



だが、炎天下で盛り上がったあとは冷房の効いた部屋へ行きたくなるのが人間のサガ。ということで、次は松下電器(現:パナソニック)のエアコン「エオリア」のCMに起用された徳永英明の「風のエオリア」(1988年)でクールダウンしていただく。作家から提供された「輝きながら・・・」でブレイクした徳永だが、オリコン最高4位のヒットとなった本作では作曲も担当。女性の名前とも解釈できる「エオリア」を連呼するサビは一度聴けば覚えられるメロディで、ソングライターとしての評価も確実なものとした。

アフリカの大草原を想起させるプリンセス プリンセス「世界でいちばん熱い夏」


ここまでノリノリのポップスとバラード系を1曲おきに配してきたが、エンディングは奥居香(現:岸谷香)のパワフルなボーカルが心地いい、プリンセス プリンセス「世界でいちばん熱い夏」で締めくくる。

アフリカの大草原を想起させる同曲は1987年にセカンドシングルとして発売されたもののヒットには至らず。その2年後、「Diamond」でのブレイクを受けて、CDシングルとして再発したところ、オリコン1位を獲得する。世はバブル絶頂期。経済的に自立した女性が増え、海外がぐっと身近になった時代背景もヒットを後押ししたと言えるだろう。本作には1989年に再録音したバージョンも存在するが、今回は1987年リリースの<ORIGINAL VERSION>をセレクトした。

以上13曲。このラインナップで猛暑を乗り切っていただくことを祈るばかりである。


Information
Re:minder SONG FILE「猛暑を乗り切るサマーソング」

ココロ躍る音楽メディア「Re:minder」がテーマを決めて珠玉のソングファイルをお届け


▶︎ 放送局:歌謡ポップスチャンネル
▶︎ 放送日時:
2026年7月22日(水)24:00〜25:00
2026年7月30日(木)24:00〜25:00
▶︎ 今月のソングファイル
♪ キミに決定! / 田原俊彦
♪ 小麦色のマーメイド / 松田聖子
♪ 太陽がいっぱい / 松本伊代
♪ 永遠に秘密さ / 近藤真彦
♪ 聖・少女 / 西城秀樹
♪ サマー・ラブ / 尾崎紀世彦
♪ 大きなお世話サマー / とんねるず
♪ 蜃気楼 / クリスタルキング
♪ 赤道小町ドキッ / 山下久美子
♪ サマー イン サマー~想い出は、素肌に焼いて~ / 八神純子
♪ DAY IN VACATION / 渚のオールスターズ
♪ 風のエオリア / 徳永英明
♪ 世界でいちばん熱い夏<ORIGINAL VERSION> / プリンセス プリンセス
▶︎ 番組ページ:Re:minder SONG FILE

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2026.07.15
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