6月21日

1980年にデビューした浜田朱里、山口百恵の引退と大いなる時代の変化

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浜田朱里のデビューシングル「さよなら好き」がリリースされた日
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80’s Idols Remind Me Of… Vol.21
浜田朱里 / さよなら好き

大きく変動!女性アイドルシンガーの新旧勢力図


豪華絢爛、キラキラ輝く女性シンガーたちが群雄割拠し、それはそれは華やかだった80年代女性アイドルシーン。その幕開けとなった1980年… 実はいろんな意味で激動の年だった。

シーンを象徴するような3大シンガー、松田聖子・河合奈保子・柏原芳恵がデビューした年というのもあるが、彼女たちと入れ替わるようにして芸能界からスパッと姿を消した人がいた。そう、70年代を代表する女性アイドルシンガー、山口百恵の引退だ。

実質的ラストシングル「さよならの向こう側」のリリースが8月、武道館でマイクを置いたのが10月、三浦友和との結婚が11月、山口百恵の完全引退までの動向はことごとく大きなニュースになっていた。その間松田聖子らはシングルリリースを順調に重ね、新たな人気を確実に獲得する。奇しくも80年代突入という節目の年に(節目の年だからこそ?)、女性アイドルシンガーの新旧勢力図が大きく変動しようとしていたのだ。

ポスト山口百恵 “赤いシリーズ” の主役にも抜擢された浜田朱里


そんな激動の1980年、“ポスト山口百恵” を標榜してデビューしたのが浜田朱里である。ほぼ同時期に本家ホリプロからデビューした甲斐智枝美もポスト山口百恵的なスタンスをとってはいたのだが…。容姿・楽曲の雰囲気、なによりも送り手側の前のめり感みたいなものを含めた全体的イメージを鑑みれば、ポスト山口百恵に大きく名乗りをあげていたのは浜田朱里の方だった。

なんといってもレコードリリースに先駆けてデビューの舞台となったのが、山口百恵がシーズン7までほぼ主役を務めてきたドラマ “赤いシリーズ” の9作目『赤い魂』(80年4~9月)での主役出演!そして松田聖子らに少し遅れてデビューシングル「さよなら好き」(80年6月21日)をリリース。このジャケット写真がまた山口百恵のシングルジャケットを彷彿とさせる、というか似せて作成したのは明らか。「赤い絆」(77年)や「愛の嵐」(79年)あたりをモチーフにしたのだろうが、よくよく見てみると顔かたち / 全体的雰囲気が似ているのは否めない。プロダクション側が、どうしてもポスト山口百恵路線に寄せがちになっていくのは、致し方なかったのかもしれない。

マイナー昭和歌謡路線を敷いたデビューシングル「さよなら好き」


浜田朱里がデビューしたとき、筆者は彼女と同じ年齢の17歳、高校3年生だった。ドラマで毎週拝顔していくうちに、その容姿端麗さにぐいぐいと魅かれたもの。まあ浜田朱里クラスならば、世の男子中高生なんぞは赤子の手を捻るようなものだろう。既に活躍していた80年デビュー組のビッグ3(松田・河合・柏原)に勝るとも劣らない、いや総合的ルックス力は断トツだったんじゃないかな。だからこそ筆者は、このポスト山口百恵路線に、違和感というか、今さら感というか、ある種のアウト・オブ・デイト感を抱いていた。なんだかもったいない…。

誤解を恐れず言うならば、あの全体を覆うある種の辛気臭さは、70年代だからこそ(そして山口百恵だったからこそ)のもので、今はもう1980年代になったんだよ…あえてマイナー昭和歌謡路線を敷いた「さよなら好き」を耳にしながら、そんなことを考えていたわけだ。ほぼ同時期の「青い珊瑚礁」(松田聖子)、「ヤング・ボーイ」(河合奈保子)に打ち震えながら、タイトルは「恋はドンファン」だったらよかったのかな、いっそのことサンデーズに専念すれば、なんて。もちろん「さよなら好き」は、どこか不思議な魅力にあふれた作品ではあるのだが。

結局浜田朱里はこの昭和歌謡路線を貫きながら、84年までコンスタントにシングルリリースを重ねていたが、ついぞシンガーとして一般的認知度を誇るヒットを出すことはなかった。しかし真摯に真面目に “アイドルシンガー” として臨む姿勢は、人々の心に永遠に焼き付いているに違いない。


※ KARL南澤の連載「80's Idols Remind Me Of…」
80年代の幕開けとともに、新たなアイドルシーンが増幅・形成されていった。文字通り偶像(アイドル)を追い求めた80年代を、女性アイドルと、そのヒットソングで紐解く大好評連載。

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etc…


2020.06.02
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カタリベ
1962年生まれ
KARL南澤
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