3月21日
問答無用でリスペクト♪ シーナ&ロケッツのぶっといロックンロール
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シーナ&ロケッツ(ザ・ロケッツ名義)のアルバム「ROKKET SIZE」がリリースされた日
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photo:RokketWEB  

日本のロックに親しんできたファンにとって、問答無用で誰もがリスペクトしているバンドがふたつある。ひとつはRCサクセション、そして、もうひとつが今年、2018年にデビュー40周年を迎え、今なお現役感バリバリで熱いロックンロールをぶちかましてくれるシーナ&ロケッツ(以下シナロケ)だ。

ロックの王道という言葉があるのならば、それは、日本において、シナロケを形容する言葉に他ならない。日本のリヴァプール、福岡のギター少年が感度のよいアンテナでキャッチしたブルース、ブリティッシュビートを下敷きにポップでキャッチ―、しかし、ぶっとい芯の通ったシンプルなロックンロールは40年経った今でもピカピカの最新型のままだ。

78年にデビューしたシナロケは、79年にアルファレコードに移籍。YMO のバックアップのもと、細野晴臣がプロデュースした『真空パック』をリリース。81年にリリースされた4枚目のアルバム『ピンナップ・ベイビー・ブルース』ではシングルカットされた同名曲の歌詞に糸井重里氏を起用するなど、まさに時代の大きな変化が訪れた80年代の先端を象徴するような作品のリリースが続いた。

そして、84年。前作『ピンナップ・ベイビー・ブルース』から2年半、ビクターインビテーションに移籍後、ザ・ロケッツ名義でリリースされたのが『ROKKET SIZE』だ。鮎川氏が常日頃口にしている「レスポールとマーシャルとベースとドラムがあればいつでもROCKできる!」という、現在のシナロケのバンドスタイルを確立させたこのアルバムこそが歴史的名盤だと僕は思う。

『ROKKET SIZE』は、ザ・ロケッツという名義どおり、シーナさんが三女の出産を控え休暇中に鮎川誠、川嶋一秀、浅田孟というオリジナルメンバー、強固なまでの3ピースで作られたアルバムだ。時代の波の相応しいギミックが施されたアルファ時代とは趣の違う、鮎川氏のぶっといレスポールの音が炸裂するシンプル極まりないロックンロール。当時高校に入学したばかりの僕は一発で夢中になり、学校の行き帰りカセットにダビングしたこのアルバムを毎日聴いていた。

そして、この移籍後、第一弾のザ・ロケッツのアルバムがその後のシナロケの方向性を示唆し、その基盤となっている。福岡のジャガー&リチャーズと言われる、作詞・柴山俊之、作曲・鮎川誠という抜群のコンビネーションにより、ロックの本質を具現化―― 70年に結成され北九州、福岡のいわゆる「めんたいロック」と呼ばれたサウンドの源流にあるバンド、サンハウスからの盟友である二人が織り成す世界観は、黒っぽいブルースフィーリングを持ち合わせながらも、どこかセンチメンタルでドリーミーだ。

『ROKKET SIZE』に収録されている「I'M FLASH “Consolation Prize”(ホラ吹きイナズマ)」では、


 嵐の中で生まれ 風の中を生きる
 寝たい時に寝て やりたい時にやるだけさ
 気にするなよ ほんの冗談
 なにもかもがウソっぱち
 俺はホラ吹きイナズマ
 パッと光って消えちまう


とまるで、ストーンズの「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」を思わせる混沌の中に蠢くロックンロールとブルースの境界線を見せつけ、十代の僕に新しい世界を教えてくれた。

また、1曲目に収録されている「GET IT ON BABY」では、


 あなたが泣いたら広い海になって
 涙を全部吸いとってあげる
 涙がかわいたら虹になって
 素敵な恋のプレゼント


と歌う。この二面性が、当時僕が求めていたロックの危うさと希望なんだと改めて思う。

もう20年以上前になるが、鮎川氏とお会いする機会があった。僕は舞い上がって、開口一番「ROKKET SIZE が大好きで、今もずっと聴いています!」と言ってしまった。すると、鮎川氏は少し寂しそうな表情をしてこう答えた。

「君はシーナの歌がきらいとね?」

そして、その言葉の重みは、2015年2月14日、シーナさんが旅立たれた時に再び重くのしかかることになる。そして、あの時の鮎川氏の愛情に溢れた言葉こそがシナロケだったということを実感した。

シナロケは『ROKKET SIZE』発売後、『NEW HIPPIES』『MAIN SONGS』『GATHERED』など、80年代に7枚のオリジナルアルバムをリリース。この『ROKKET SIZE』で培ったぶっとい王道のロックンロールを基盤にシーナさんのセクシーでたおやかなヴォーカルを乗せた傑作を次々と発表していく。そして、これはシーナさんの遺作となってしまった2014年7月23日に発売された『ROKKET RIDE』まで続くことになる。

そして、現在でもシーナさんの遺志を受け継ぎコンスタントなライブ活動を行っている。多くの人に愛され、リスペクトされる所以はここにあるということも忘れないでおきたい。

みんなシーナさんに憧れている。僕のまわりは、男も女も、今も昔もみんなシナロケが大好きだ。



歌詞引用:
I'M FLASH “Consolation Prize”(ホラ吹きイナズマ) / ザ・ロケッツ
GET IT ON BABY / ザ・ロケッツ


2018.05.02
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  YouTube / Thechaotically


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