2月25日

洋楽ビッグヒット!THE JUGGLERがオススメするティアーズ・フォー・フィアーズの名曲

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ティアーズ・フォー・フィアーズのアルバム「シャウト(Songs from the Big Chair)」がリリースされた日(ルール・ザ・ワールド 収録) 
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MTVがやってきた! われらミュージックビデオ世代


誰でも “10代の頃に聴いた音楽が一生のベースになってしまう” と言いますが、MTVの快進撃真っ只中の1983年~87年辺りにかけて青春を謳歌した “MTV世代” が今50歳を迎えようとしています(いわゆるGolden Time Age CLUBです)。

私たち1970~90年代の洋楽カバーバンド “THE JUGGLER” でもギターを担当する大渡亮君(Do As Infinity)がドンズバのMTV世代です。

それより前の世代の洋楽リスナーは音楽に関して “聴く” という耳からの情報が1番で、目からの情報と言えばジャケットやアーティスト写真、歌詞カードくらいしかなく、それに音楽専門誌のインタビューやコラムなどの情報を補足してイメージを膨らませたものでした。

それが1981年8月1日、MTVなるアメリカのケーブルテレビ局がスタートし、バグルスの「ラジオ・スターの悲劇(Video Killed the Radio Star)」を皮切りに、アーティストのライブシーンや凝ったビデオクリップの映像が24時間ひっきりなしに届くことになったのです。

カルチャー・クラブ、デュラン・デュラン、マイケル・ジャクソン、ワム!、シンディ・ローパー、マドンナ… 映像を意識した型破りなアーティストたちが出現し、スタイリストもメイクも使ったことのないようなオールドウェイブたちは衰退してゆきました。

五感のうち目と耳の二感から入った刺激が、脳を鷲掴みにしてぐるんぐるんシェイクするこの作戦に日本のティーンエージャーはすっかり虜になってしまいました。

御多分に洩れず、それまでサッカー小僧だった大渡亮君にも新しい人生の選択肢が現れたのです。詳しくはTHE JUGGLERのYouTubeサイトで公開されている「大渡亮ロングインタビュー」をご覧ください。彼が子供の頃、近くの高校の文化祭で軽音楽部のバンドを見て音楽に目覚めたキッカケから、20年間プロミュージシャンとしてやってきた独自の音楽観まで大いに語っております。

そして百花繚乱、今まで見たことのないようなニュータイプが続々と登場するミュージックビデオ全盛の時代に、絵面は地味だけど楽曲で勝負する “希少種” として頭角を現したのがこのティアーズ・フォー・フィアーズだったのです。

お茶の間に浸透した4人組、ティアーズ・フォー・フィアーズ


いきなり彗星の如く現れた彼ら “ティアーズ・フォー・フィアーズ”。1984年12月にリリースされたシングル「シャウト」はビデオクリップの大量オンエアも手伝い、全英チャート2位、全米Billboard Hot 100で1位を記録しました。当時日本でもスズキ「カルタス」のCMに使われ、呪術的なサビのリフレインされた若人たちは無意識のうちに「♪シャウト シャウト」とこの曲を口ずさんでおりました。

今回この原稿を書くために調べて初めてわかったのですが、ティアーズ・フォー・フィアーズは当時ジャケ写やMVに写っていたローランド・オーザバル(ボーカル・ギター)、カート・スミス(ベース・ボーカル)だけではなく、キーボードのイアン・スタンレーとドラムスのマニー・エリアスを含む4人組だったのです。なぜ2人だけがピックアップされていたのかは謎のままです。

そして我がTHE JUGGLERもカバーしている「ルール・ザ・ワールド(Everybody Wants To Rule The World)」が1985年にリリースされ、全英・全米1位となったのです。

2曲のビッグヒットでティアーズ・フォー・フィアーズは揺るぎないポジションを手に入れます。

この軽快なシャッフル曲は日本ではノエビアのCMタイアップで “これでもか!” と言うほどお茶の間に流れました。

 Everybody Wants To Rule The World
(誰もがこの世界を支配したがっている)

この時代の彼らには重いテーマをサラッと歌ってしまう軽やかさがありました。ビジュアル重視の華やいだ80年代にあって、賑やかなパーティの帰り道にポツリと囁くようなタイミングで現れた彼ら。楽曲先行型の『抜群の地味力』で一矢を報いたバンド、それがティアーズ・フォー・フィアーズなのです。

THE JUGGLER渋谷有希子が語る「ルール・ザ・ワールド」のプレイメモ



曲のイントロ、はて何拍ぞ? …から始まりました(笑)。休符始まりのイントロがあると謎解きのようでちょっと楽しいです。

一番の感想は、落ち着いている(というか地味…)でした。

出てくる楽器(音色)の種類も少ないですがシンセがとてもポップな音色なので、地味なだけではないんだな、イントロも工夫してるしな、と少し安心したのを覚えています。

ドラムとパーカッションの組み合わせでリズムを作っていく方法で、プログラムを作りながら「なるほどね!」と呟いてしまいました。こういう曲をパーカッショニストと一緒に演奏したいです。THE JUGGLERのグッズにエッグシェーカーがあるので、お客様に振って鳴らしていただきたいです。

ひたすら黙々とシャッフルし続けるリズム隊。この「少し遅いかな」というテンポでブレずにシャッフルし続けるのはドラムもベースもなかなか大変です。所詮人間が演奏しているので人間味は出てしまいますが、あまり人間味が出過ぎないように気をつけています。ひたすら黙々と演奏。

忠実に再現するならシンセベースを使うべきなのですが、ベースの4弦の音程を下げて私なりの解釈で低音で弾いて少し重さを出しています。少し突っ込んだ話をしますと、Aメロは分数コードになっておりましてベーシストにとってはオイシイところなのです。「ベースここにいます! 下で支えてます!」と、低音で人間味(主張)を出すという矛盾とワガママです(笑)。

歌は必ず「Everybody wants to rule the world」で、しかも低い音域で終わる。

気持ちが盛り上がっても私にとっては低音域なので、丁寧に発声することを心がけています。


Song Data
■ Everybody Wants To Rule The World /Tears for Fears
■ 作詞・作曲:Roland Orzabal / Ian Stanley / Chris Hughes
■ 発売:1985年2月25日(米国)



★1970~90年代の洋楽専門カバーバンド「THE JUGGLER」では、MTV世代のこんな曲もカバーしています。
■ イージー・ラヴァー / フィリップ・ベイリー、フィル・コリンズ
■ ミス・ミー / カルチャークラブ
■ ザ・リフレックス / デュラン・デュラン
■ ジャンプ / ヴァン・ヘイレン
■ フリーダム / ワム!
■ プライベート・アイズ / ダリル・ホール&ジョン・オーツ
■ パワー・オブ・ラヴ / ヒューイ・ルイス&ザ・ニュース

★2022年5月15日(日)
Re:minderとコラボイベント決定!!
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2022.02.25
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