4月11日
ブルーノートと専属契約を結んだトランペッター・日野皓正の素顔
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日野皓正のアルバム「Bluestruck」が米国ブルーノートからリリースされた日
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photo:Amazon  

ここ数年、ジャズピアニストの前田憲男さんのコンサートに毎年行かせて頂いている。毎回変わる豪華なゲストとのコラボレーションも楽しみのひとつ。上質な音楽に酔いしれ、いつも満足して帰路につくのだが、今夜は更に特別な夜となった。

今夜のスペシャルゲストは、日本が世界に誇るトランペッター・日野皓正さん。ずっと聴いてみたいと思っていた人。なんと終演後、楽屋で、「世界のヒノ」としてその名を知られるトランペット奏者とお会いすることができたのだ。

「75歳過ぎて、日本人でバリバリ吹いたトランペッターっていないんですよ。僕が最初のそれになろうと思って、45歳のときに酒はやめました。」

という日野さんは、今年74歳。ステージ後方の席からでもスマートでカッコイイと思ったけれど、近くでお話させて頂くと、その年齢が嘘かと思うくらいにお若い。

気さくで温かく、少しも気取ったところのない日野さん。一気にファンになり、帰宅してから数時間、過去のインタビュー記事を遡って読んだほどだ。

お父様がタップダンサーでトランぺッターだった影響で、5歳からタップダンスを始め、9歳からトランペットを与えられて吹いていたという。学校に行く前の30分間と帰って来てからの2時間は、毎日トランペットの練習。

中学時代には、学校に行きながらジャズの学校にも通い、夜になると頭にポマードをつけ、父の背広を着て、キャバレーで演奏していた。13歳の頃には米軍キャンプのダンスバンドで活動を始め、中学卒業後は進学せず、そのまま音楽の道へと進んだ。

1967年の初リーダーアルバム『ALONE, ALONE AND ALONE』で絶大な注目を集め、その後も大ヒットを連発。日本のジャズシーンを代表する地位を確立した。

マスコミに “ヒノテル・ブーム” と騒がれるほどの注目を集め、国内外のツアーやフェスティバルへの出演をはじめ、雑誌の表紙を飾るなどファッショナブルなミュージシャンとして多方面で活躍。そんな人気絶頂期であった1975年、活動の拠点をアメリカNYに移し、数多くのミュージシャンと活動を共にする。

79年には時のクロスオーヴァーブームにのり、数々のヒットを飛ばすが、やがて従来のジャズ路線に戻り、1989年には日本人として初めて、ジャズの名門ブルーノート・レコードと専属契約を結んだ。

芸術選奨 文部科学大臣賞、紫綬褒章をはじめとする数々の賞を受賞するなど長いキャリアと高いテクニックを持ち、70歳を超えてなお進化し続けるエネルギッシュなプレイ。

パワフルかつ繊細に、自在にトランペットを操るテクニックと心に響くステージング。日本ジャズ界の重鎮によるオーディエンスを魅了する圧巻のステージを、まだまだ聴いていたかった。

亡き実弟、日野元彦さんの作った楽曲を演奏する時は、どの曲よりも魂を感じた。曲の終盤、天井に向かって拳を何度も掲げる合図をドラムの齋藤たかしさんに送っていて、それに応えるようにドラムの音も激しさを増していったけれど、それは天国の弟にもこの音楽が届くようにという意味だと後で気付いた。

「膵臓癌で19年前に亡くなった弟の作った曲達をこれからも大切に演奏していきます。天国の弟も喜んでいると思います。」

私も、亡き父に捧げた曲をステージで歌う時は、天国の父にも聴いてほしいという想いで歌っているので、その気持ちがよくわかる。そのことを伝えたら、「お父さん、天国で絶対聴いてるよ!」と優しい言葉をかけてくださった。

「名前、ランコだっけ?」
「いえ、ランカです」

見ると、紙コップに私の名前を書いている。そこにはトランペットのイラスト付き。なんとサインをしてくださったのだ。それも楽屋でコーヒーを飲んでいたであろう紙コップに。

想像もしないお茶目で貴重なプレゼントにテンションが上がった。帰り道、鞄の中の紙コップが折れ曲がっていないか確認した時に匂いを嗅いでみたら、ちゃんとコーヒーの匂いがした。

私はこのサインを見る度に、拳を天高く掲げた弟想いの日野さんを、ステージ上でタップダンスをする自由で陽気な日野さんを思い出すだろう。

天国に届くトランペットの音色を、また必ず聴きに行きたいと思った。

2017.05.24
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  YouTube / 梶本一義


  YouTube / JazzLive InJapan
 

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