11月1日

新しい「ルパン三世」のエンディングは峰不二子のテーマ「ラヴ・スコール」

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ユー&エクスプロージョン・バンドのシングル「ルパン三世’79」がリリースされた日(ラブ・スコール 収録)
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ブラウン管に登場した魔性の女たち


ダイヤモンドのように輝く野心的な瞳。
絹のように美しい白い肌。
グラマラスな肢体。

身長:167cm
体重:50kg
バスト:99.9cm
ウエスト:55.5cm
ヒップ:88.8cm

時には恋人を演じ、世界中のセレブや悪党を誑し込む悪女。

私は、その女に辿り着くために、魔性と呼ばれる様々な女たちとブラウン管の中で過ごしてきた。

2008年と2010年に放送された三浦春馬の主演ドラマ『ブラッディ・マンディ』シリーズ(TBS系)。このドラマに登場する折原マヤという女スパイを見た瞬間… ああ、リアル峰不二子キターと思った私です。

ある時は味方、ある時は狡猾な敵となる “性悪女” を吉瀬美智子サンがクールに演じ切っていた。ウーン、エロ過ぎる! 完全悩殺、ノックダウンである。

騙されるとわかっていながら心惹かれる特別な存在、峰不二子


時はさらに遡る―― 1978年、土曜ワイド劇場、江戸川乱歩の美女シリーズ『妖精の美女~明智小五郎対怪盗ルパン』(テレビ朝日系)にも、魔性の女は現れた。

原作はアルセーヌ・ルパンシリーズを意識して作られた探偵小説『黄金仮面』である。ドラマのストーリーは、ルパンとあだ名される怪盗が、富豪の元から愛してしまった美女を盗み出し、最後はまんまと天才探偵・明智から見事逃げおおせるというもの。そして、その美女の名前が「不二子」なのである。

演じたのは、今尚美しい “かげろうお銀” こと由美かおるサン。そこにハチ切れんばかりの若さが加わり、唇ぷっくり、色気ムンムンである。正義の味方、明智小五郎を騙して、大悪党ルパンと懇ろになるなんて、悪い女だ… あぁ~、ふーじこ、ちゃ~~~ん!

そんな不二子的美女に魅せられてばかりの私―― そもそもまだ物心もつかない内から『ウルトラセブン』を観て、キレイな女はみんな地球征服を企む宇宙人の仮の姿か、男を騙して感電させる金髪アンドロイドだとトラウマ的に刷り込まれて育っているので、美しすぎる悪女に惹かれてしまうのはもう仕方がありません。

そう、“昭和40年男” にとって、峰不二子とは子供のころから記憶の底に刷り込まれ続けた美し過ぎる悪女たちの偶像。騙されるとわかっていながら、どうしても心惹かれてしまう、そんな特別な存在なのである。

ルパン三世のエンディング曲「ラヴ・スコール」歌うはサンドラ・ホーン


ところで、峰不二子の魅力をひと言で語るならば当たり前のようだが「美しい」という、この言葉に尽きるだろう。しかし、ここで私が言いたい美しさというのは「若さ」であるとか、そういうある一定の時間で過ぎ去ってしまうようなものではない。

それは、吉永小百合さんが年齢に関係なく美しいのと一緒で、要するに存在そのものが持つ永遠性である。女の本能で満ち溢れた枯れることのない魂の井戸… 匂い立つような女神の魅力である。もしくは幾度となくアニメがシリーズ化されることで、変わらぬ美しさを繰り返し見せ続けているという奇跡のせいかもしれない。そしてそんな “永遠の美” を感じさせる楽曲が峰不二子のテーマ曲「ラヴ・スコール」だと私は思う。

男心を惹きつけるヴォーカル。まるで、不二子本人が歌っているような錯覚に陥る。シンガーの名はサンドラ・ホーン。その魅惑的な甘い歌声を一日の終わり、疲れた体をベッドに投げ出したときに聴いてみて貰いたい。きっと貴方は極上の癒しの中で、まるで抱かれるように眠ることが出来るだろう。

彼女の声はとても不思議な響きを持っている。それは純真な少女が歌っているようにも、エロティックな娼婦が歌っているようにも聞こえる。まさにそれぞれの男性が心に思い描く、峰不二子のイメージそのものだ。

ちなみに「ラヴ・スコール」にはオリジナル以外にカバー曲、新ヴァージョンがいくつか存在しているのでこちらも是非聴いてみて欲しい。昨今では石川さゆりの曲が耳に馴染んでいるが、英国出身の男女2人組、ワークシャイの英語ヴァージョンもオリジナルに肉薄していて、かなりオススメ。また、変わったところだとジャズシンガーのロザリア・デ・ソーザのカバーも良かった。こちらはボサノバ風の大人っぽいサウンドが魅力的だ。

さて、最後にオリジナルを歌っている謎の女・サンドラ・ホーンについて一つ語っておこう。

その正体は―― サンディー&ザ・サンセッツのサンディーである。彼女もまた、私の心の中に住み着いた美しい人… 

峰不二子の数いる分身の内の一人なのである。


■ Song Data
■ ラヴ・スコール / サンドラ・ホーン
■ 作詞:槇小奈帆
■ 作曲・編曲:大野雄二


※2016年1月20日、2018年5月30日に掲載された記事をアップデート

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2021.09.26
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1970年生まれ
ジャン・タリメー
↓の曲も聴かせていただきました.ただのアニメソングと思っていたこの曲なのに,お二人の解説で,女性ヴォーカルに集中して聴くとこんなにも違うのかぁ.と感心しきり.ドキドキしてます.有り難うございました.
2018/05/30 10:02
2
返信
1966年生まれ
鎌倉屋 武士
クレモンティーヌの「炎のたからもの」のフランス語ver.も良いですよ!
2018/05/30 18:24
0
1966年生まれ
鎌倉屋 武士
悠さん、コレいいですね。アレンジが何だかハイファイセットっぽいですけどwww
https://www.youtube.com/watch?v=2vY2Qtgy9pU
2016/04/29 13:42
1
返信
1965年生まれ
高野 悠
この曲、そんな印象には残っていないのですが、いろんな方がカヴァーしてますねえ。
エゴラッピンのよっちゃんが歌ってるのは知ってますか? なかなかですよ。

それにしても、サンディーって歌上手いなあ。
サンセッツの頃も、ハワイアンミュージックやってる今も、ホント魅力的です。
2016/03/20 04:22
2
返信
カタリベ
1966年生まれ
鎌倉屋 武士
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