16歳だった1984年。そこから21歳までの、女性としてピチピチ(昭和言葉!)な5年間、私は大好きなユーミンの曲を聴きながら、片想いの人生を歩んでいました。
大好きな松任谷由実さん。ユーミンの歌詞は女性の気持ちそのもの、誰もが自分の恋愛ストーリーと重なる一曲があるはずの、ユーミンの歌詞。
片想いの5年間、ユーミンの曲を聴いて、その片想いが報われないとようやく悟った時に、今後の、そして今の私へと導いてくれた大きな一曲が、名曲「DESTINY」です。1979年発売のアルバム『悲しいほどお天気』のA面4曲目に収録されていますが、80年代に不定期で放送されていたドラマ「季節はずれの海岸物語」の主題歌としても有名になった曲です。
冷たくされて いつかは
みかえすつもりだった
そう!「私をフッたことを見返してやるわ!」そんな気持ちへと切り替えることで、女は悲しい結末を「見返す」という、ちょっとしたポジティブな方へともっていけるのです。悲しい気持ちからいきなり未来の自分を見はじめ、都合の良い妄想をするのです。そして…
それからどこへ行くにも
着かざってたのに
どうしてなの 今日にかぎって
安いサンダルをはいてた
今日わかった空しいこと
むすばれぬ 悲しい Destiny
あの21歳の頃から、私はこの歌詞のように「どこへ行くにも着飾って」いました。綺麗でいよう、綺麗でいたい。彼といつかどこかで、偶然会った時に、綺麗になっている私を見て、彼が私をフッたことを後悔してくれるように…と。
「今日にかぎって安いサンダルをはいていた」と、ならないように、後悔しないようにと。でも、結構こういう悲しい「なんで今日にかぎって。。。」ってありますよね、どんな場面にも。
私は4年前の44歳の時に、女性ファッション雑誌で賞を受賞しました。ユーミンのこの曲、この歌詞が、片想いでよく泣いていた私を不思議なポジティブ感覚の気持ちにしてくれて、いつまでも、どんな時も、女性として綺麗でいたいというエネルギーの「持続力」を与えてくれました。
それは、あの彼が私をフッてくれたお蔭です。彼が5年間、私を片想いでいさせてくれた、成就しなかったからこそ、賞を戴けるまでの女性になりました。30年以上も、私の傷あとなど、彼は知らないままでしたが(笑)
2017.01.22
YouTube / 松任谷由実
YouTube / iqro kurniawan
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