共有感満載の80年代洋楽ヒット! ビルボード最高位2位の妙味 vol.2
Girls Just Want To Have Fun / Cyndi Lauper シンディ・ローパー、全米チャート最高位2位ながら今も自身の代表曲
さて、共有感満載の80年代全米ヒットソング。とりわけナンバー1に輝いた楽曲はというと、日本におけるある世代にとって限りなく認知度100%に近い作品がズラリと並ぶ。
中でも100%と断言してもいいような全米ナンバー1を獲得した3大ジャパニーズ・メガヒットといえば、ヴァン・ヘイレン「ジャンプ」(1984年1位)、USA フォー・アフリカ「ウィ・アー・ザ・ワールド」(1985年1位)、アーハ「テイク・オン・ミー」(1985年1位)あたりが挙げられるだろう。それに続くのがアイリーン・キャラ「フラッシュダンス」、ケニー・ロギンス「フットルース」といったサントラ関連、マドンナ、プリンス、マイケル・ジャクソンといったスーパースタークラス一連のナンバー1ソングだろうか。
そんな中、前述の認知度100%ナンバー1ソングにも負けず劣らず、いや匹敵するようなナンバー2ソングが存在する。80年代に誕生した93曲の全米シングルチャート最高位2位ソングの中で最も日本での認知度が高いであろう作品が、シンディ・ローパー「ハイ・スクールはダンステリア(Girls Just Want To Have Fun)」(1983年初出 / 1984年2位)だ!
まったく無名のシンディ・ローパーが初めて全米チャートに登場した楽曲であり、その後1位を含む多くの大ヒットを輩出しているにもかかわらず、最高位2位ながらも今も自身の代表曲として君臨するエポックメイキングな作品だ。
MVの雰囲気だけでつけられた邦題「ハイ・スクールはダンステリア」
多くの日本人が、この曲は全米チャートを制覇したと思っているだろうが、要はそれだけヒット感は半端なく大きかった。ちょうど同時期にマイケル・ジャクソン「スリラー」(1984年4位)、直前にカルチャー・クラブ「カーマは気まぐれ(Karma Chameleon)」(1984年1位)がヒットしており、地上波テレビで挙って全米ヒットMVをオンエアしだすきっかけとなった作品が出揃ってきたことも見逃せない。
歌詞内容とはまったく関係なくMVの雰囲気だけでつけられた邦題「ハイ・スクール~」も、今考えればダサさ一歩手前、絶妙な普及ポイントになっていたと確信できる。この「ハイ・スクール~」が2週にわたり2位を記録した1984年3/10及び3/17付けの1位が、80年代洋楽を象徴するヒットであるヴァン・ヘイレン「ジャンプ」だったというのも、最早微笑ましいエピソードに思えてくるし、その時のトップ10には、ネーナ「ロックバルーンは99(99 Luftballons)」、マイケル・ジャクソン「スリラー」、ケニー・ロギンス「フットルース」、カルチャー・クラブ「カーマは気まぐれ」がエントリー… 眩しくも壮観と言わざるを得ない。
ちなみに後年この邦題を知ったシンディは、あまりに原題との意味がかけ離れているということで、邦題を単純なカタカナ表記に修正している。そしてこの曲はロバート・ハザード「Girls Just Wanna Have Fun」(1979年)のカバーだった。
※2016年4月20日、2019年6月22日に掲載された記事をアップデート
2021.06.22