そこで、今回はシンディ・ローパーを例に、具体的に考えてみたいと思う。1983年、遂にソロアーティストとしてメジャー契約にこぎつけた彼女は、アルバム『N.Y.ダンステリア(She's So Unusual)』でデビューした。これは、5歳年下のマドンナのデビューアルバム『バーニング・アップ(Madonna)』がリリースされた僅か数ヵ月後のことである。
このアルバムは全世界で1,600万枚のセールスを記録し、シングルカットされた「ハイ・スクールはダンステリア(Girls Just Want to Have Fun)」「過ぎ去りし想い(Time After Time)」「シー・バップ」「オール・スルー・ザ・ナイト」とヒットした。デビューアルバムから4曲連続でTOP5入りしたのは女性アーティスト初のことだった。
米国の音楽誌『Rolling Stone』は、このアルバムを「100 Best Debut Albums of All Time」の63位に選んでいるが(マドンナは96位)、いずれにせよこのヒットによって彼女はグラミー賞の「Best New Artist」を獲得し、「ウィ・アー・ザ・ワールド」でソロパートを与えられた。これは、この両方に縁がなかったマドンナと比べても、シンディが明らかに良いスタートを切ったことを意味していたし、少なくとも彼女がアトラクションに成功したのは間違いなさそうだった。
Billboard Chart ■ Girls Just Want To Have Fun / Cyndi Lauper(84年3月10日2位) ■ Time After Time / Cyndi Lauper(84年6月9日1位) ■ She Bop / Cyndi Lauper(84年9月8日3位) ■ All Through The Night / Cyndi Lauper(84年12月8日5位) ■ We Are The World / USA for Africa(85年4月13日1位)
Billboard(Album) ■ She's So Unusual / Cyndi Lauper(84年6月2日4位) ■ Madonna / Madonna(84年10月20日8位)