ハードロック/へヴィメタル界のアーティストの誰もが知っていて、インタビューなどでも度々出てくる架空のバンドをご存知でしょうか? その名はスパイナル・タップ、映画の中のスターです。映画「スパイナル・タップ」はDVD化はされているものの、日本ではそれほど話題になったことはありません。
しかしながら、このスパイナル・タップはハードロック/へヴィメタルを語る上で外すことのできないバンドなのです。映画は1984年に “モキュメンタリー(うそドキュメンタリー)” というかたちで制作され、監督は「スタンド・バイ・ミー」のロブ・ライナーで彼自身ドラマーとしても出演しています。ドキュメンタリーなのでインタビューやライヴシーン、楽屋でのメンバーの会話などで進行していきますが、そのすべてがロック界でありがちなことばかり。以下、ちょっと抜粋してみましょう。
・ドラマーが良く交代する(ステージ上で爆発などほとんどが死亡)
・ステージのセットが大がかり
・猥褻なジャケットでレコード会社ともめる
・バンドに口出しするメンバーの彼女とマネージャーがケンカ
・ブッキングが失敗し場違いな会場で演奏
などなど、全編「あるある」のオンパレード。結構よくできた「アホな歌詞」「アホな楽曲」「アホな衣装」にも笑いを超えて感心すらしてしまいます。メタルをちょっと小馬鹿にしたような部分も感じられますが、実在のヘヴィメタルのバンド達は懐が深いのでみんなこの映画をリスペクトしています。
こういう映画には当然マニアックなファンがつくもので、熱烈なリクエストに応え、何度か出演俳優らによるライヴも決行されていて好評を博しています。私もラッキーなことにロンドンでの「ライヴ・アース」で彼らを生で見ることが出来ました。その時はメタリカやジェネシス、デュラン・デュランのメンバーなども登場し、大ヘッドバンキング大会になっておりました。名曲「Big Bottom (でかいケツ)」や「Sex Farm (愛の農場)」などを収録したアルバムもちゃんと発売されてますので、DVDとあわせて体験することを超オススメします。
2016.05.16
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